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●写真/河野朝子


* 週刊フォトエッセイ*

下野康史の出物・ハレMONO

  文・写真/下野康史(かばた・やすし) --->Back Number 




第6回 『ベロタクシーが往く! #1』

 知らないで特急に乗ってしまった田舎のおばあさんが、車内で検札に遇う。
 この電車に乗るには特急券を買ってもらわないと困りますよと諭す車掌に、おばあさんが、特急ってのはなんのことかと聞く。鈍行の半分の時間で着く、スピードの速い電車だと説明すると、おばあさんが言う。そりゃあ合点がいかない。半分しか電車にお邪魔しないのに、なんで余計にお金を取るのかと。
 立川談志が落語の枕に使う話である。
“ベロタクシー”はそんなおばあさんも納得の公共交通機関である。世界一忙しい東京をわざとゆっくり走る。目的地へ急ぎたい人には向かないが、そのかわり堂々の排ガスゼロだ。“velo”とは、フランス語で「チャリンコ」のこと。NPO(非営利組織)が運営する人力タクシーである。


2003年01月08日掲載

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