写真
---> 拡大表示

二胡を弾く武先生

(写真&キャプション:河野朝子)


* 週刊フォトエッセイ*

下野康史の出物・ハレMONO

  文/下野康史(かばた・やすし) --->Back Number 




第8回 『チェロ弾きの二胡入門 #6』

 バイオリンで言うと、糸枕(トップナット)にあたる部分は、「上駒」と呼ばれ、なんのことはない、単に二本の弦を束ねて糸で巻いただけである。そのへんの構造は、よく言えば、デリケート、悪く言えば、かなりアバウトである。
 しかし、それが名人の手にかかると、あの二胡の音を奏でる。武先生が弾き始めるや、思わず「これよこれよこれなのよ」と鳥肌が立った。呟くような低音から、澄みきった高音まで、ひとくちに“日本人好み”の憂いを含んだ美しい音だ。チェロの名手、ポール・トルトゥリエが生きていたら、開放弦を聴かせただけで“You speak too much!”(感情を込めすぎだ)と怒りそうな音かもしれないが、それがまさに二胡サウンドの持ち味である。聴いたことがないという人がいたら、毎週土日の夜、NHKでやっているスポーツニュースのテーマ音楽に使われているので、お聴きあれ。

●取材協力:優文社


2003年08月13日掲載

<--Back     Next-->



Webmaster :
ammo@tokyo.fujifilm.co.jp
Copyright :
マカロニ・アンモナイト編集部