* 週刊フォトエッセイ*

下野康史の出物・ハレMONO

  文/下野康史(かばた・やすし) --->Back Number


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上が初心者向け二胡で下が中〜上級者向け二胡。初心者向けは金属製の糸巻きでチューニングがし易いが、そうでない伝統的な物はチューニングにちょっとした技術を要する。赤いビニールは弓の手元部分のカバー。


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二胡を弾く下野さん

(写真&キャプション:河野朝子)





第8回 『チェロ弾きの二胡入門 #7』

 だが、ハイどうぞと手渡されて、いきなり弾いたところで、感情を逆撫でする音しか出ないのは弦楽器の特質である。僕はチェロを少し習っているので、ボウイングにはそれほど抵抗がなかったものの、最初に出た音は、予想通り、セミの断末魔の泣き声そのものだった。
 竹で出来た専用の弓は、チェロやバイオリンと違って、鉄棒の逆手のような形で握って持つ。内弦を毛の表側、外弦を裏側で弾き分けるのは、意外と悩まなかった。むしろ、合理的だと感じた。
 しかし、やっぱり奇異なのは、指板がないことだ。奇異というか、寂しいし、不安だ。だから、案外この楽器は、ほかの弦楽器をまったく知らない人のほうが早く上達するような気がする。

●取材協力:優文社


2003年08月20日掲載

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