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* 週刊フォトエッセイ*

下野康史の出物・ハレMONO

  文/下野康史(かばた・やすし) --->Back Number  写真/中山慶太 




第11回 『オタクのオーディオ、いい音してますか? #6』

 ピアノもバイオリンも、客席から演奏家の手元まで見るのはむずかしい。だが、イスに座り、股に挟んで、聴衆に正対して弾くチェロは、演奏しているところが丸見えの楽器である。お弁当を隠すようにコソコソとはけっして弾けない。ならば、間近でたっぷり見たいし、見せてもらいたい。“チェロ前”の席を求めるのはそのためだ。

 なんたって、演奏者と楽器にいちばん近い位置にいるわけだから、生音がじかに、しかもホールのだれよりも先に聴ける。チェロはフレーズに合わせて呼吸をしながら弾く楽器なので、プレーヤーの鼻息なんかもすごくよく聞こえる。






2004年05月12日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部