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写真/中山慶太


* 週刊フォトエッセイ*

下野康史の出物・ハレMONO

  文/下野康史(かばた・やすし) --->Back Number 




第19回 『僕とアナログレコードの日々 #3』

●「レールウェイ・ダイナミックス 蒸気機関車」

 15〜16歳といえば、ロックも好きだったが、SLも好きだった。もっとも、こっちは当時からあまり人には言えない趣味だったが。
 分厚いビニールレザーのケースに入った5枚組には、ただただSLの走行音や同乗音が収められている。線路脇で録音した通過音だと、ステレオスピーカーの中をこっちから向こうへ音が移動してゆく。おふくろを呼んできて、当時、まだ珍しかったステレオ効果に親子そろって感動したものである。
 いちばん好きだったのは「安芸川尻駅の呉線C62発車」。汽笛一声、客車を牽く“シロクニ”が発進し、シュッシュッシュッシュッというブラスト音が高まる、と、突然、動輪が空転して、音が数瞬、シュシュシュシュシュと急速調に変化する。日本最大のSLのホイールスピンを音で記録した貴重な“名盤”である。


2006年04月19日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部