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※写真・中山慶太


* 連載フォトエッセイ*

下野康史の出物・ハレMONO

  文/下野康史(かばた・やすし) --->Back Number 




第26回 『鉄男ノスタルジア #11』

 基本的には当時のSLを四季を通じてじっくり撮り集めた記録映画なのだが、耽美的な作風で知られる監督だから、十代の女性モデルがところどころに絡んでくる。「SLに恋した少女」みたいな設定だ。けれど、はっきり言って、無理がある。歌はさらにケッタイだなあと試写会のときから思っていたが、音楽はなんと大林宣彦だった。でも、自身、SLの愛好家である高林監督だけに、機関車の撮り方はすばらしい。
 あらためて見て、いちばん印象的だったのは、幕開け早々に出てくる「貨物列車が見知らぬ国へ旅立ってゆきます」というナレーションだ。そうそう、あのころはまだ鉄道にこういう感じがあったんだよなあと思って、なつかしかった。いまの日本に、鉄道で行く「見知らぬ国」なんてところがあるだろうか。




2008年09月03日掲載

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