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サンジェルマン・デ・プレ教会とゲイパレード。
※撮影 by FinePixF601


* 週刊フォトエッセイ*

フランスにいるといろんなことを考える

  文・写真/河野朝子 --->Back Number 




−なにがなんでも恋愛−

■1■

 パリでゲイパレードに遭遇したことがある。左岸のメインストリートをほとんど封鎖するかなり盛大なパレードだ。
『サンジェルマン』と聞くと「その筋の殿方が夜な夜な集うポイント」てなイメージをいまだに抱く30年前の少女マンガ世代もいるかもしれないが、その日のサンジェルマン・デ・プレは「人間の10人にひとりはゲイである」という説を立証するに充分過剰。突然の歩行者天国に集う群衆に「なに? なに?」と首を突っ込んだだけの野次馬な私の半径30メートル、10人に5人がゲイで残りが観光客であるといった風情だ。「これってもしかして?」と思っていたら、その交差点のあっちの方、モンパルナスのタワーの麓からドンチャンやってきた山車はやはりゲイパレードの物だった。
 自然科学者達に力説されなくったって『間性*』や『ゲイ』の存在はもはや特別でもなんでもない。田舎のオバサンであるところの私の周囲にもホモセクシャルやバイセクシャルの人は結構いて、こんな原稿でも書かなければ「そういえばアイツも」なんて思い出せないくらいである。知り合いの事務所の「OL」がいわゆるニューハーフ、本人曰くトランス(セクシャル**)だったこともあったっけ。
 てなワケで、リベラル国家フランスじゃすでに同性同志の「事実婚***」が認められているし、裁判所に訴え出れば出生証書の性別の変更も可能だ。別にパレードがなくたってそこにはフツーに存在する人達なのである。

*注1)間性
 インターセクシャルとも言う。生物学上、先天的に男性的特徴と女性的特徴の両方を持つ人のこと。

**注2)トランスセクシャル
 トランスセクシャルとは自分の心と体の性別の違いに強い苦痛を感じていて、肉体をもう一方の性別に変えたいと願っている人達。いわゆる『ニューハーフ』もトランスセクシャル。
 で、トランスジェンダーとは肉体的違和感はトランスセクシャルほどではないが、社会からその違和感のある性別として扱われるのに苦痛を感じる人達。女言葉のお兄さん、とかがトランスジェンダー。
 いずれも昨今では『性同一性障害』と言われる。
 もうひとつ付け加えるなら『ゲイセクシャル』ってのはつまり『同性愛者』のことである。だからトランスには例えば「私は法律上は男になっているけれど実は女なので、男の人と恋愛するのは同性愛じゃない」と言い切る人もいる。

***注3)事実婚
 フランスにはPACS法ってのがあって、婚姻せずとも婚姻しているのと同じように税金の控除とか相続などに関する社会制度が利用できる。このおかげで結婚しないカップルが激増した。また、これは男同士だろうが女同士だろうがオッケーなんである。


2003年02月05日掲載

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