* 週刊フォトエッセイ*

撮れルンです! 2006

  文・写真/河野朝子 --->Back Number


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昔のレンズには被写界深度を表す線が付いてたんです。線の先についている数字が絞り値で、この場合上のリングで絞り値が8に設定されてて、ピントを一番合わせるところ(被写体のいる場所)がカメラの先3メートル、ピントの合う範囲はカメラから1.8〜10メートルくらい、と読めるわけである(レンズ提供:中山慶太氏)。



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ISO400、11.7mm(35mm換算約52mm)、1/950、F4.0。被写界深度が浅めの写真。


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ISO200、6.2mm(35mm換算約28mm)、1/140、F8.0。被写界深度が深めの写真。

※撮影 by FinePixS9000
※モデル 高山美穂子

■38■ ヒシャカイシンド

 てなワケで『絞り』は写真の表現を決める一大要素なのである。

『絞り』を変えると何が変わるのかというと、ものすごーくかいつまんで言うとピントの合う範囲が変わるのである(見かけ上ピントが合う範囲の前後の奥行き)。
 90年代以降カメラ本体にくっついてるダイヤルをグリグリして絞り値を変えるのが一般的になってきたけれど、昔のカメラはレンズの輪に付いてる目盛りで絞りを変えていて、そこには「こっからここまでピントが合う範囲ですよ」を示す線が引いてあった。

 で、この『ピントの合う範囲』のことを『被写界深度(ヒシャカイシンド)』と呼ぶのである。

 なんで昔は今より被写界深度が重要だったんだろうか。
 例えば報道写真や街角スナップなどで撮りたい人物があちらからやってくるとする。その人の写真を確実に撮りたいので何回かシャッターを切るんだけど、ピントの合う範囲をある程度広く(深く)しておかないとピントの合ってる写真の数が1枚しかないとかまたは全くないなんてことになってしまうから、という理由もある(昔はオートフォーカスなんて無かったんだし!)。ピントの合う範囲が広ければそれだけ使える写真が増えるよね。

 ただしむやみやたらと被写界深度を深くする=絞り値を大きくすると今度はシャッタースピードがどんどんとノロくなって手ブレと被写体ブレでブレブレ! てな悲惨なことになるワケで、そこらあたりがカメラマンの腕の見せ所のひとつでもあったんだろう(今でもです)。

 もちろん21世紀だって風景写真をキレイに撮りたいときは絞り値を大きくして全体にピントが来ている、とか、ポートレイトの背景をボカしたいときに絞り値を小さくしてピントの合う範囲を狭くする、なんて使い方は超一般的だけど、とりあえず絞り値が大きい=シャッタースピード低速、絞り値が小さい=シャッタースピードが速くなる、という法則はまず覚えておこう。


2006年06月14日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部