* 週刊フォトエッセイ*

Classical Photo-gear Explorers 東京レトロフォーカス

  文・写真/中山慶太 --->Back Number


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ウィーン旧市街を取り巻く環状道路「リング」でトラムを待つ人々。背後の建物は有名な国立オペラ座、シュターツオパー。伝統様式のカタマリのように見える建築だが、完成した当時は華美に過ぎると批判を浴びたらしい。
Pentax ESII + SMC Takumar 28mmF3.5 FUJIFILM Neopan400 Presto Exposure Data:AE



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プラハの裏道で。おなじ旧市街といっても改築が進んだウィーンに対し、こちらは数世紀前の建築が多く残っている。映画監督のミロシュ・フォアマンは「アマデウス」のロケでこういう路地を用いていた。
Pentax ESII + Carl Zeiss Jena Pancolar 50mmF2 FUJIFILM Neopan400 Presto Exposure Data:AE



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ペンタックスESIIの軍艦部を俯瞰する。基本的な成り立ちはこの時代のスタンダードに準拠しており、誰でも迷わずに操作できる。シャッターダイヤルの赤い三角印はAEポジション、四角い枠線表示に合わせるとファインダー接眼部に逆入光を防ぐアイピースシャッターが入る。(CdS受光部はアイピースの背後にあるため)。露出補正は+2段〜−1/2段。この28mmレンズを用いた場合、シャッターダイヤル・絞り環・距離表示の表示をすべて赤に合わせると1.5mから無限遠までにピントが合い、シャッターチャンスを生かしたフルオートの撮影が可能になる。

東京レトロフォーカス Special Edition
『ちょっと旧い国産機を使ってみよう #2』


 黄金時代の国産カメラから何を選ぶか。これは魅力的な機種が多くて悩むところだけど、僕の場合はレンズマウントの必然から選択肢はある程度絞られる。いぜんに「ペンタコン」の連載でも紹介したユニバーサルマウント、M42規格のレンズを信頼できるボディで使いたいと思っていたからだ。なにしろM42のレンズは世界中で数百種類が生産され、由緒正しい銘柄から得体の知れないモノまで今も市場に溢れている(これを「M42暗黒星雲」と評したひとがいた)。そういうレンズを信頼性の高い国産ボディで使うのも面白い。
 最初に入手したのはペンタックスSPII。これは完全な機械式カメラに露出計を載せたカメラで、電池が無くても作動するという利点はあるけれど、絞り込み測光だから撮影はちょっと面倒だ。「絞り込み測光」という言葉に馴染みのない方のために書いておくと、これはレンズを撮影に使う実絞り値まで絞り込んで測光する方式だ。いったん開放絞りでピントを合わせた後にこの操作を行うので、街頭スナップなどにはあまり向いていない。といっても単体露出計を持ち歩くよりはずっと楽なのだけど、人間はいったんエレキの力を借りるととたんに横着になるものである。
 そこでM42マウントの開放測光機を探す。これは選択肢がほとんど無い。なぜかというと、M42の規格では開放測光に対応する連動メカを設定することが難しいからだ。そこで各社各様の連動機構を考案して組み込むのだが、これはレンズ側にも専用設計が必要になって、どんな組み合わせも自由というユニバーサルマウントの利点がフルに発揮できないのだ。
 もうひとつの考え方として、AE(自動露出)機構を積んだカメラを使う、という手がある。絞り込み測光でもAEならそこから先の操作は不要で、レリーズする瞬間に視野が暗くなることを我慢すれば済む。これはカメラ内蔵の露出計に頼るより、さらに横着な手段だからちょっと気が引けるのだけど、毒を食らわば皿まで、ということわざもあるではないか(違うか)。
 まあそんなことを考えつつ、次に選んだのはおなじペンタックスのESIIである。これは専用のレンズ(SMCタクマー)を使うと開放測光とAEが両用でき、それ以外の自動絞り機構対応レンズ*を使う場合はレリーズの瞬間に絞り込みレバーを押し上げれば良い。入手して1ロールほどAEの精度をテストしてみると、これがなかなか具合がよろしい。M42レンズのマスターボディとしても風格充分、これでレンズ道楽にますます拍車がかかるだろう……と悦に入っていたところ、世の中そんなに甘くなかった。
 じっさいに使い始めると、どうも露出がバラつく。最初は露出計のトラブルかと思ったけど、どうやら原因は露出機構そのものにあるようだ。

*注:M42マウントレンズにはボディ側からの絞り駆動(絞り込み)に対応する連動ピンを内蔵した物品が多数存在する。これは連動ピン以外にもマウント基部に「オート」「マニュアル」の切り換えレバーが付いているので簡単に識別できる。


2004年03月10日掲載

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