* 週刊フォトエッセイ*

Classical Photo-gear Explorers 東京レトロフォーカス

  文・写真/中山慶太 --->Back Number


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''Hazel eyes'' Introducing a new face who is just 20 years old and loves rock music, photo and literature.
Balda Super Baldamatic I + Color-Baldanar 45mmF2.8 /FUJICOLOR Reala ACE
(C)Keita NAKAYAMA



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白紙でいること。目の前に在るものを在るがままに。
このこはわたしに対して白紙だったのかなぁ。それともただの気まぐれだったのかしら。
(文・写真:クニトウマユミ)
Balda Super Baldamatic I + Color-Baldanar 45mmF2.8 / FUJICOLOR Reala ACE
(C)クニトウマユミ



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ライカ一眼レフを使うかたわら、さいきん手元にやってきたカメラたちを紹介しよう。これは「スーパーバルダマチックI型」。戦前から堅実なカメラづくりで知られた独バルダ社が1960年にリリースした中級機で、底面に置かれた巻き上げ機構など意表を突くアイデアが目を惹く。またセレン光電池による自動露出は当時として最先端のスペックだった。デザインも機構も独創的なカメラだが、優秀な実用機揃いの日本製カメラには価格面で太刀打ちできず、戦前から続いたバルダ社の35ミリ判カメラ開発は本機で幕を閉じる。本機についてはまた項を改めて詳述したい。
(C)Keita NAKAYAMA

Special Edition『ヘイゼル・アイズ』

 先の読者プレゼント応募に添えられた感想が編集部より回送されてきた。読めばそれぞれに旧いカメラへの熱い想いを記したコメントばかりで、この趣味もまだまだ同好の士が多いことに意を強くしている。また「さいきん目の調子が悪い」と書いた記事にはたくさんの励まし(?)をいただき、これは心底有り難かった。お陰様で目の方は重篤というわけでもなさそうですが、この場を借りてお礼を申し上げます。

 さて、目の話といえば。去年のM5からの「しりとり」みたいな流れではじめてしまった? ライカ一眼レフのファインダーを覗いていて、面白いことに気が付いた。
 この系列のカメラはファインダー視野に独特の色付きがあることは有名で、それはモデルによって程度の差こそあれどれも薄いブルーだという(初代ライカフレックスを除く)。ライカ好きでもこの色付きを忌み嫌うひとがいるらしく、そういえば僕もずいぶん以前にR6のファインダーを覗いて「これは使えないな」と思った覚えがある。肌色がえらく不健康に見えたからだ。
 ところが半年前から使いはじめたSLとSL2では、この色付きをすっかり忘れていた。ついさいきんに到着した初代ライカフレックスと比較してようやく「ああ、これって青かったっけ」とひとりごちる始末。いつも蘊蓄ばかりならべているわりに、実体は至極鈍感というところが情け無い。それともこれも目の衰えの所為だろうか?
 色付きが気にならなくなったのは、たぶん距離計連動機の視野に慣れてしまったためである。M型ライカを除けば、過日の距離計連動機のファインダー視野は多かれ少なかれ着色が避けられないものだった。だから無色透明な視野でなくても、それほど違和感を感じなくなったのだと思う。慣れというのは恐ろしい? いや、慣れる前の食わず嫌いの方がずっと恐ろしいかもしれない。

 そのライカ一眼レフの青みがかった視野について、いぜんどこかで「青い目の西洋人にはこの方が目に負担がすくなく、覗きやすい」という説を読んだ覚えがある。瞳の色は虹彩(写真用レンズの絞りと同様に光の量を調節する部分)の着色で決まるので、これが薄いひとの方が強い光に弱い。つまり西欧の特に高緯度の地域に住むひとたちにとって、ライカ一眼レフの青みがかった視野はサングラスの役目をするのだという。
 この説はあちこちで読み聴きした覚えがあり、じっさいにそう信じているひとも多いようだ。でもライカの一眼レフに関していろいろ調べてみると、あの色付きは特に瞳の色に配慮したためではないみたいに思える。その理由はこの連載に追々記していくとして、勘違いや思い込みがひとの耳から耳へと、まことしやかに伝わるのも恐ろしいものである。

 ところで瞳の色の薄いひとほど強い光を眩しく感じるというのはほんとうのようで、これはさいきん知り合った娘(こ)がそう言っていた。彼女のおおきな瞳は英語でいうところの“Hazel eyes”、つまりハシバミの実の色をしていて、日暮れの斜光線などに美しく映えるけれども、それはどこか儚さを感じる色だった。
 そのヘイゼルカラーの瞳のこと、そして彼女が撮る素敵な写真のことも、追々この連載で紹介していきたいと思っている。

※制作協力:クニトウマユミ


2006年03月08日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部