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* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number 




Roll 45 中国ロケ 周庄の町にて

 昔むかし、映画産業が華やかなりし頃には映画屋は肩で風をきって歩いていたらしい(遠い目)
 これは「蒲田行進曲」を読むなり観たなりした人にはおわかりいただけるかもしれない。

 しかし時代はくだり映画は娯楽の王座からすべり落ちた。

 当時の人々がムチャをしたおかげで映画屋には土地も建物も貸すもんじゃない(汚して壊して返すから)という認識が広まり今やロケ−ション先をさがすのも一苦労である、更にお国も警察も映画に理解がないために我々は肩身の狭い思いをしながら日々撮影をしている。

 しかし、中国ではまだ映画は娯楽の王座に居座っているらしかった、それは仕事の進め方を見ればわかる。

 現地ロケーションコーディネーターは町のメインストリートを平気で占拠/閉鎖するのだ。

 通りのこっちからあっちへ行くだけで大回りしなくてはならない、地元の人には大迷惑だろう、などと思う間もなくモメ始めた(ちゃんと許可申請や周知をしてるのかなあ)中国側スタッフ(上海電影から来た映画屋である)が市民と怒鳴り合っている、こっちは場所借りている側なんだからもうすこし低姿勢で・・・などと思うのは蹴られた犬みたいな卑屈さが身に染みついた日本側スタッフの物の見方なのかもしれない・・などと思う間もなく、バリケードを強行突破しようとする老婆が出現した、現地スタッフはそれを押しとどめ、元の場所に向かって突き飛ばしている、オイ、オイ、頼むからやめてくれ。

 そんなことやってると遠からじ俺たちみたいに水に落ちた犬(なんで犬?)みたいなことになるぞ、と言ってやりたかったが言葉は通じない、でも言葉が通じても今は理解されないんだろうなきっと。
 


2002年09月04日掲載

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