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* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number 




Roll 46 中国ロケ 西夏王朝古墳にて

 仕事へ行こうとしたら風邪ぎみだ、しかし休んではいられないと無理をしたおかげでこじらせて3日も寝込んでしまった、その日のうちに自重して休んでおれば良かったのに・・・ということがある。

 むかしある作品でどうしても必要なセット撮影がありデザイナーは200万円あればセットが組めるからスタジオで撮ろうと主張したのに対し、プロデューサーがタダで借りられる場所があるからそこを使えと譲らず、結局そのロケセット(借り物の室内)を使った撮影になったことがある、しかしロケ加工(必ずしも希望どおりでないロケ先を望みの見てくれに飾り変えること)に結局500万かかってしまったこともあった。

 さて中国ロケである、このロケは中国各地を転戦しその地の風物をカメラに納めると同時に各地の時代がかった建物を利用してセット撮影もおこなってしまおうという計画になっていた(セット予算を浮かそうという算段である)
 なってはいたのだが日程的にはキツキツでよほどうまく回転するのが前提の計画で、実際スタッフからは当初から「ホントにそんなことが可能なのかよ?」という声が出ていたくらいに欲張りな計画であった。

 マーフィの法則(うまくいかない可能性のあるものは結局うまくいかない)は映画のスケジュールにこそあてはまる。

 ロケ隊としてはどうしたってこれは中国でなきゃ撮れないというものを優先させる(あたりまえだ)つまりはオープン撮影だ、結果ロケセットの優先順位は下げられ、取り残しを多く出し、何のことはない日本にそれなりの規模のセットを組みそれなりの日数を費やして撮影せざるを得なくなってしまった、妙に撮り残したおかげで「つながり」も考えねばならず余計に面倒である、はじめからセットは日本で撮るとしておけばもっと早く(安く)済んだろう。

 これほど現象が鮮やか(?)ではないものの、1日伸ばさなけりゃ終わらないよ、という時に何が何でも終わらせるんだという強行スケジュールを組み、結果2日伸びました、ということはよくある。

 無理をするとキズが深くなるのだ。

 2点取って勝てば決勝リーグ進出だというので、ビハインドであるチームが無理に点を取りに行き、逆に点を取られて負けるようなものだ、と今ワールドカップを観ながら思った。


2002年09月11日掲載

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