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高品位ビデオカメラ


* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number 




Roll 54 What's MOVIE ? 再び

  映画の自主製作希望の高校生に「映画ってのはムービーカメラで撮影されたフィルムをスクリーンに上映するものを言うと思うのだけど、8ミリフィルムで撮るの?」と聞き返したところが相手は返答に詰まった、という話を5回前に書いた。

 しかし今この「映画の定義」は崩れかけている。

 崩す急先鋒はジョージ・ルーカスでありその第一歩が先だって公開された「スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃」だ。
 これはまず撮影にフィルムが使われていない、全編が高品位のデジタルビデオカメラで撮影されているのだ。

 ルーカスはスター・ウォーズ(前3部作)のリバイバル上映の際にオリジナルネガが退色していることにショックを受け永遠に変質しない映画を作ろうとした、と巷間言われているのだが実際には予算削減効果への期待が大きいのではないだろうか。

 まずはロールチェンジ(フィルムの詰め替え)の時間が無くなる、ハリウッドメジャーはフィルムをジャンジャン回すのでロールチェンジの時間ロスが無くなるのは大きい。

 次にOKかNGかの判断が早くつく、以前アメリカは現像所が24時間体制なのでリテイクになっても対応しやすいと書いたことがあったが、それでも結果が出るのは翌朝である。
 以前ならセットの「バラシ」も最低一晩待たなくてはならなかったが、これなら即セットチェンジに入れるわけだ、ロケなら撮影終了後にすぐ移動出来る、これは大きい。

 そもそも(最近の)スター・ウォーズほどの仕掛け満載の映画ならば撮った映像を何ら加工せずに上映する(「撮り切り」と呼ばれる)カットなど無く全てスキャンされデジタルデーターに変換されてデジタル編集機による特殊効果がほどこされているはずなのだ、だったら最初からデジタルで撮ってしまえというのは当然の流れなのかもしれない。


 それでも完成したデジタルデーターは映画館で上映するためにフィルムに焼き付けられている。

 ならば映画の定義として最初に言った文言の中から「ムービーカメラでフィルム撮影する」をはずし「映画とはフィルムをスクリーンで上映するものである」とすれば良いのではないか、ということになるのだが実は今やそうも言っていられないのだ・・という話を次回にしたいと思う。


2002年11月13日掲載

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