* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number


写真
---> 拡大表示

本物のフラッシュ


写真
---> 拡大表示

フラッシュ無しで偽フレアを合成
(このほうがカッコ良いね)





Roll 58 ハレーション その2

 前回「ハレ切り」(レンズに当たる強い光をさえぎること、本来は「フレア切り」のはずだが現場の用法に従ってここではフレアとハレーションを区別しない)について書いた。

 ハレーションは現像してみないと何が起こっているかわからないので「狙い」でないかぎりは微塵も許容されない。
 カメラマンがフレームを決定すると各部の準備が始まるわけだが、この準備が終了するまでに撮影部のサードセカンドはハレーションを完璧に防止しなければならない。

 美術/装飾部が多少の作業を残していても「そろそろ本番行きたいと思います」などと声がかかることがあるが、撮影部がハレ切りをしていたら絶対本番の声はかからない。
 それほどクリティカルなミッションということだがそれだけにあまり時間がかかっていると「ハレ切りくらいで何時間かかってるんだ」などとカメラマンから怒られる。

 とはいえこれは完璧にやって当然なものであり、もし「OKです」と言ったあとにハレーションが入っているのが発見されようものなら助手は業界に入ったことを後悔するほど叱責される。

 そんなハレーションをしかしアニメーション、マンガ、ゲームではわざわざ画面に描き込んだりする、輝く太陽と光芒、一列に並んだ大小さまざまのゴースト(たいてい6角形だ)という絵が思い浮かぶ人も多いのではないだろうか。
 CGソフトでも上級なものになると「ハレーション機能」が付いていたりする。

 前回「強い日射し」の表現でハレーションやゴーストを取り入れるのはステレオタイプだと書いた。そして狙いでなく入ってしまったハレーションなどは映画屋からしてみれば余計なものでしかないのだが、発生するはずのない他のメディアがあえて画面に取り入れるのは、これが「強い日射し」や「逆光でものを見た時」や「まぶしさ」のリアルな体験として我々の記憶に刻み込まれているからだと言えるだろう。

(ハレーション さらに続く)


2002年12月11日掲載

<--Back     Next-->



Webmaster :
ammo@tokyo.fujifilm.co.jp
Copyright :
マカロニ・アンモナイト編集部