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その後の、パンの行方について語られた作品を見たことはない。


* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number 




Roll 68 衝突する二人

 世界で一番ギャラの高い女優と言われるジュリア・ロバーツが世界でもっとも有名な女優の役として出る、というだけでこの映画がいかにエスプリがきいているかわかるだろう。

 その映画の題名は「ノッティングヒルの恋人」

 ロンドン郊外の小さな町で流行らない書店を営むさえない男が、世界でもっとも有名なハリウッド女優と恋に落ちる、と言えばこれは日本のマンガ、アニメ、ゲームにもおとらない陳腐でしかし王道なシチュエーションである。

 そしてもちろん2人が急接近するきっかけは「四つ角で衝突する二人」なのだった。
 さすがにどちらもトーストをくわえてはいなかったが(でもジュースを持っていた)

 日本のマンガ、アニメ、ゲームではもはやベタすぎるこの手が実はハリウッド映画では斬新である・・などということはもちろんなく、ここで表現されているのは「2人が出会ったのは<運命>である」という寓意と、そして「この映画にリアリティを求めてはいけません」という制作者の宣言だ。

 四つ角で衝突して始まる恋、はもはやある種の記号と化しているのだとも言えるだろう。
 それは「こんなことは実際には起こり得ないのだが、夢の中ならこんなこともあってもいいじゃないか」ということ、つまり「この映画はおとぎ話なのです」という印だ。

 四つ角の恋(?)とは少し離れてしまうがこの映画が「おとぎ話である」という証拠は他にもいくつかある、その話はまた次回にする。


2003年02月26日掲載

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