* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number


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Roll 72 25years later

 スピルバーグの「A.I.」のラスト、いきなり「2000年後」とナレーションされたときにはびっくりしたものです。映像の魔術師スピルバーグにしてどうしようもなかったものなのか、はたまたナレーション一発で2000年飛ばすショックを狙ったのか、ここには特段の映像はありませんでした。

 というわけで長い時間を「飛ばす」映像表現のある映画って思いつかないな〜、と思っていたところ思いがけなく目の前にそのカットが登場しました。
 Roll 65で書いた「剣と魔法の日々」の元ネタ、スクウェアソフトのオンライン・ロールプレイング・ゲーム「ファイナルファンタジー XI」のオープニングです。

 ここでは断崖の上にそびえる城塞が登場し、幼い少年がそれをあこがれを持って眺めている、という絵でオープニングムービーは始まります。やがて闇の王に率いられたモンスターが襲来した、とナレーションが入り、熾烈な戦いが描写されます。
 戦火の中、逃げまどう少年は目の前で姉を怪物に殺され、孤児となり、泣きながら城下を去っていくというカットでそのシーンは終わるのですが、少年が画面手前に切れたあとカメラは城塞にパンアップ、煙の立ち上る城とその城下を捉えたところで固定します。

 そこで画面はゆっくりとオーバーラップし、崩れた城塞とその城下がすっかり緑に覆われている様に映りかわります。
 ここでカメラはトラックバック、すると画面手前から白銀の鎧に身をつつんだあの少年の成長した姿がフレームインし、カメラが正面に回り込むと少年の周囲に大勢の仲間がいることが見てとれます。
 少年とその仲間が長く戦い続けた結果、かつての威容はないもののこの地に再び平和が訪れたのだ、ということを1カットで説明した名シーンというべきでしょう。

 これを見て「ファイナル・ファンタジー VII」でもエンディングのムービーで同じ手を使って500年飛ばし、ついに地には平和が訪れましたとやっていたことを思い出しました(ゲームのムービーは簡単には見返せないので本当に500年だったかどうか確認できませんが)
 これは「XI」ほどカット割りが鮮やかではありませんが、印象の強い良いシーンです、スクウェアの得意技なのですね。

 こうしてみるとさすがにマンガとゲームとアニメは日本が世界に誇る映像文化だったのだなあ、などと無理矢理にシメて何回か続いた話題の終わりとさせていただきたいと思います。

 といいつつ次回は「剣と魔法の日々」の続きだったりする。


2003年03月26日掲載

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