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* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number 




Roll 89 特撮者 その5

 特撮映画でもっとも重要なことは世界観にほころびがないこと、平たく言えばお話や舞台設定に矛盾がないということだ。

 これは何も特撮物にかぎらず、映画にかぎらず、それこそ小説しろ何にしろ重要なことなのだが、特撮物はその性質上、巨大生物や、新発明や、超兵器、はたまた剣と魔法の国が舞台であるなど物理の法則に反するような小道具、概念が持ち込まれるために齟齬をきたしやすいのだ。

「エジソンが電球を発明しなかったら我々は今どうしているだろう」というジョークがある。
 答えは「我々はロウソクのあかりの下でTVを見ているだろう」というものなのだが、既存の世界に上記の小道具を考えなしに持ち込むと似たような状況が生まれる。

 これらを作品内部の理屈にそって矛盾なく提示することは実はとても難しいのだ。そしてこれがうまくいっていることを世界が閉じているという。

 ついでに言っておくなら世界をどう閉じるかは制作者の勝手であって、「お約束」を楽しむ映画というものがあっても一向に構わない、良くできたミニチュアを楽しむという視点の映画があってもいいわけだ。
 ある人にとってはそれが趣味でないと言うなら見ねばよいだけのこと、世界がキチンと閉じている映画、作品内での整合性がちゃんととれている映画、そんな特撮映画を我々は賞賛すべきなのだ。


2003年08月06日掲載

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