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* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number 




Roll 97 マンガ的表現 その2

 頭上でグルグルと回転させているおもりつきのロープ(または宍戸梅軒の鎖鎌?)。
 それをパッと手放すと、おもりを先にピューっと飛んでいき、木の枝、または敵の刀にグルグルと巻き付く。
 マンガ・アニメによくある表現だ。

 映画においても(あまり物事を深く考えていない)監督がよくこういうコンテ割をするのだが、既存のイメージにとらわれすぎている。

 つまるところ、それは物理的にありえないのだ。
 後ろにロープ、または鎖を引き従えて「まっすぐ」飛んでいったおもりが木の枝(や相手の刀)の横で向きを変え、グルグルと巻き付いていくわけはない。

 巻き付くことがあるとすれば、回しながらロープを繰り出すか、あるいは持ち手が相手に近づいて、回転しているロープの中間に対象物が衝突した時だけだ。
 それなら接触した点を中心におもりが回転し、巻き付いていくだろう。
 
 そのような説明は試みるのだが、まず考慮されたためしはない。
 すっかりそのつもりになっている監督には、私がなにを言っているのか理解できないことも多いようだ、「映画屋は映画を通じて世界を見ている」とよく言われるのだが、その一例とも言えるだろう。

 仕方ないやるっきゃない、となるわけだが、どう対処していくのか、という話を次回にしたい。


2003年10月08日掲載

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