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* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number 




Roll 98 マンガ的表現 その3

 頭上でグルグルと回転させているおもりつきのロープ、パッと手放すと、おもりを先に飛んでいき・・・と前回書いたのだが、実をいえばこのことでさえ物理的にあやしいところがある。

 おもりがグルグル回っている時、支えの糸を切断すればおもりは接線方向に飛んで行くはずだが、うしろにロープなど質量のあるものを引いていれば、それによってコースが変わってしまうはずなのだ。

 この場合ならロープの持ち手側に引かれて大きな円弧を描くと思われる。
 マンガ・アニメのように後ろにロープ(ましてやもっと重い鎖)を引いて、まっすぐ飛んでいくわけもないのだ・・がこれについては映画のウソとして許せる範囲ではあろう。

 仕掛け的には、飛ぶべきコースの前後に滑車を取り付け。おもりの先端とロープの後端にピアノ線を結んで滑車を通し、全体をループ状にしてしまうのだ。

 このループをピンと張り、回してやれば、おもりつきのロープだろうが、分銅付きの鎖だろうが、狙ったとおりのコースをまっすぐに飛んでいく、レンズをかすめて飛んでいくことも安全、確実に行える。

 ・・・かつてはおもりの前に出ているピアノ線は背景色に塗ってごまかすしかなく、カメラ近くに飛んでくることは出来なかった(バレちゃうので)しかし今はデジタル編集機でピアノ線は消せるのでカメラアングルは自在である。

 ここまでは仕掛け的にも簡単である、物理的にあまりウソをついているわけでないカットは、操演的にも簡単であると言えるだろう。

 問題はやはりそのあと「グルグルと巻き付く」絵作りということになる。

 ・・・続く


2003年10月15日掲載

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