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『ガメラ2−レギオン襲来−』
(c) 大映・日本テレビ・博報堂・富士通・日販/1996 より


* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number 




Roll 102 マンガ的表現 その7

 アニメ・マンガに出てきた表現を実写に置き換えるのは難しい。
 あるカットのイメージを監督に聞いたとき、アニメ・マンガを例にあげられるとぞっとするくらいだ。

 しかしあえて実写で挑戦してみたいと思わせるカットも世の中にはある。

 宮崎アニメなどはその宝庫といってよい。
 たとえば「風の谷のナウシカ」
 巨神兵(生物兵器?)がレーザーを発射するカットで、レーザーが地平線をなぎ払うと一瞬のタメののち、巨大な火球が次々と盛り上がってあたり一面が火の海になる。

 なぎ払うレーザーのスピード、タメの長さ、盛り上がる火球の動き、なにもかもカッコいい。
 私はこれを見るたびに「いつか実写でやってみたいものだ」と思っていた。

 同じアニメ・マンガ由来のカットでも「そんなのどうやって実現すればいいのか想像も着きません」というカットから、意外と簡単に実現出来そうなカットまでさまざまある。

 これは後者に属するのだ、もし実写で実現できれば、それはリアリティというものに後押しされアニメを凌駕する迫力を持ちうると思う。

 とは言えこれが「ちょっとやってみたい」と言ってやってみられるものでないのは言うまでもない。そんな絵づくりが求められるかどうかは映画次第、監督次第なのだ、必要とされなければ実現は出来ない。

 ついにその機会が訪れたのはナウシカを見てから10年後、「ガメラ2 レギオン襲来」であった。
 宇宙怪獣レギオンが自分を包囲する戦車隊を一瞬で爆発させるのである。

 私の言った「これは実写版の巨神兵レーザーでいってみましょう」という言葉がメインスタッフ全員にちゃんと伝わったのも嬉しいことの一つだ、わかる人はわかっている。

 この連載の第一回目に使用したのがまさしくそのカットの撮影風景なのだが、いつかどこかで「ナウシカ」を見る機会があったなら見比べていただきたいと思う。



※編集部注:

「ガメラ2 レギオン襲来」
(大映・日本テレビ放送網・博報堂・富士通・日本出版販売/配給=東宝・1996年)

「風の谷のナウシカ」(二馬力・徳間書店・博報堂/配給=東映:1984年)


2003年11月12日掲載

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