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* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number 




Roll 124 Saving Japanese movie <Part-4 Equipment>

 日本映画も芸術的なものに関しては長い伝統がある。したがって相当程度に凝ったシーン(装飾が凝っているなどはもちろん、騎馬武者がいっぱい出るなど物量が多いシーンなど)でも必要な要素が何であり、事前に何をしておく必要があって、現場にどれだけの人数を送り込めばいいのかを詰めることはできる。

 しかし技術的側面に関してはかなり遅れていると言ってよい、これは監督の作家性や、カメラマンの精神性を尊重するあまりにその職が聖域化している弊害かもしれない。

 つまり、あるカットに含まれる技術的要素やその規模を数値的にスタッフに説明することが出来る監督やカメラマンがほとんどいないのだ。
「バーッと派手に」とか「出来るだけ多く」とか抽象的な説明に終始するのがほとんどだし、言質を取られるのを怖れてか説明自体を拒む困った人さえ居る。

 要するに「やって見せないと何が欲しいのか自分でもわからない」人が多いのだ。

 現場で対応可能なもの、たとえばお芝居そのものなら問題はないが、事前の準備が必要な物とそれを扱うパートはそうはいかない。
 いきおい予想で準備をすることになる、きっちり決まっていない分いろいろと対応可能なようにブツをもっていく。

 これを現場での自由度が高まる(言い方を変えるとわがままが言える)として歓迎する人もいるのだが、限られた予算のなかではこの方式は「広く浅く」になってしまうことにも気付いて欲しいものだ。

 たとえこれがハリウッドメジャーの超大作であったとしても「現場で何を言っても実現可能な制作体制」などというものはあり得ないのだ・・という話を次回もう少し続けたい。


2004年04月28日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部