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曇っていたってレフしかないさ


* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number 




Roll 125 Saving Japanese movie <Part-5 Budget>

 取りたいカットの明確なイメージと技術的側面、そしてその物量という話を続ける。

 たとえばある戦闘シーンの背景に硝煙が流れるとして、その煙の色は黒なのか白なのか、それがわからないでは操演部は発煙筒の用意のしようがない。
 またどんなアングルの引きの絵があり、どんな寄りの絵があるのがわからないでは必要な数量も出ないのだが、監督にもカメラマンにも答えがないということが往々にしてある。

 仕方ないので引きの絵では発煙筒を10本消費し、寄りの絵は2本消費すると仮定する(過去の似たような作品からの推定だ)、寄り引きは半々であると仮定すると1カット平均6本だ。

 カット数が20あるとすると、1カットに6本の発煙筒を焚くとして120本、NGが5割あるとして予備を含め必要な発煙筒は180本と計算する。
 180×発煙筒代=これが硝煙予算だ。
 話を単純化すれば映画の予算はこうやって割り振られる。

 どちらかがまるまる余ることがわかっているのに白と黒を両方用意しておこうなどという贅沢は出来ないのが普通だ、しかし現場対応的には両方用意するしかない。

 しかたないので半分づつということになる。といって90本づつではあきらかに足りないので他の予算を流用して白・黒120本ずつ240本もって行こうなどとやりくりをする、結果予算をオーバーしかつNG予備のない現場になってしまう。

 これをすべて承知で現場を仕切ってくれる監督、カメラマンなら問題はないが実際にはイメージが明確でなく、計算の立たない人は、理不尽な人であることも多く、そこをなんとかするのが腕だろう、などと言い出しかねない。

 ガソリンが無ければ大和魂で飛べと言うのと同じで最初から負け戦である、こういった人(達)には芸術的小品は作れても、超大作は作れない。

(続く)


2004年05月06日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部