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視点を作る道具「カメラクレーン」


* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number 




Roll 129 Viewpoint <1> Show

 某外資系テーマパーク(日本には2つしかないですが・・って前にも言ったか)でショーを見た。
 こういっては何だが、パークのショーはたいしたものではない、ダンサーの質も規模も時間も。
 多くのショーも含めたアトラクションすべてが楽しめるテーマパークの入園料金より、たとえば某女性団員ばかりの劇団(って一つしかないですけど)の公演のほうが高かったりする、それを考えればそれなりのものでしかないのはやむを得ないわけだ。

 とはいえそれは面白かった。

 生身の人間がその場にいあわせた人のためだけに、その場限りのパフォーマンスを繰り広げるというのは贅沢な話だ。観客の興奮や驚きが演者に伝わり、それがまた返ってくる。

 結果が出るまでに1年も2年もかかってしまう映画にはマネの出来ないアドバンテージだろう。
 かなわんなあ、と思いつつ2度目を見るとしかし映画屋としての不満も出てくる。

 一番の不満は細部が見えないことだ。遠い席に座ろうものなら終始、引き、また引きの絵を見せられる。
 役者の表情も衣装も小道具もロクに見分けられない、逆に・・そしてこれは勝手ないい草だが・・見えなくていいものまで見せられてしまう。

 つまりは視線の誘導が出来ないわけだ。主人公が舞台中央で熱演しているときにも、観客の視線が周囲に、時には舞台の袖にまでもさまよっていくのは止められない。

 映画にあって舞台にないもの、そして最大の武器は「視点」というものではないだろうか?


2004年06月02日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部