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なんでもシャコマンで組み立てる操演部
ところでGクランプをなぜシャコマンって言うの?


* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number 




Roll 160 伝説

 「トニー君が考えた、ひむろ杉を前もって一定間隔で立ててある棒」は「トニーひむろ」と呼ばれ特撮現場で広く使われるようになった。

 あまりと言えば単純なこの仕掛け、似たようなことをやった人は過去にいなかったのか? と誰もが思う。
 私も特殊美術関係者に聞き回った。
 しかし「そんなこともない筈だが、一気に広まったのはトニーが現場に持ち込み出してから後なのだ」ということらしい。
 ともかく美術関係者がこれを「トニーひむろ」と呼ぶ以上、これがエポックメイキングな事件であったと納得するしかない。

 さて言葉はやがて簡略化され、原型をとどめなくなって行く「トニーひむろ」は今や単純に「トニー」と呼ばれている。

 先日も現場で美術チーフが「お〜い、ひむろ持って来てくれトニーの方だ」と呼ばわっていた。
 「電信柱をトニーにしておいてくれ」と言う指示も聞いたことがある。
 「前もって並べておく」ことがもはやトニーなのだ(やがて活用して形容動詞になるのではあるまいか)

 この作品が初めての現場です、という新人君はトニーが誰だか、というより何だか知らない。せっしゅも、えんかいの語源も多分知らない。
 映画屋には多くの隠語があるのでいちいち語源を問いただしている暇はないのだ。彼の頭の中ではトニーもせっしゅも同列である。

 こうして「トニー」は定着していく、あたらな隠語誕生の瞬間である、映画界にその名を残す(かもしれない)トニー、ちょっとうらやましい。


2005年01月26日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部