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ソフトクリームがけの火薬・・ではありません
これは石膏


* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number 




Roll 164 たのしいお買い物 その4「楮紙」

 使用目的をキチンと伝えないがために、紙問屋で立ち往生した私であるが、しかし「効果用煙火を包んでほどよいハジけかたをする紙をください」と言っても仕方なかったとは思う。

「包み紙ですか。和紙は上品でお使いものには最適です。ならばこのような漉き込み和紙のほうがよろしくはないですか」
 などと、色のついた繊維を漉き込んで微妙な色あいを出したものや、葉や花びら(紅葉とか)がそのまま漉き込まれているものを大番頭氏は見せてくださる。

 和紙を愛しかつ誇りに思っていらっしゃる様子が手に取るように伝わり、ますます本来の用途が告げにくくなる。
 用途は言わずして希望するブツの条件を伝えようと考え「包むといっても、贈答品というじゃないんで無地でいいし、一番重要なのがコシのあるなしなんですが」というと。

「工作にお使いになる方もありますね、折り紙とか、和風の照明とか、たとえばこちらがねぷた用の紙です」

 おおおお、弘前ねぷた祭り!

 あれは和紙だったか、そりゃそうか、へえ、こんなごっつい紙なんだあ、と一瞬本来の目的を忘れて手に取ってしまうが、いやいやそうではない。

「触ってみて決めたいんですが、見本帳のようなものはないですか?」というと、大判の紙がごっそりと綴じられた見本帳を持ってきてくださった。あるんじゃないの〜。

 一枚一枚手で揉んでみる、けっこう時間がかかる、質問があればお答えしますといわんばかりの大番頭さんが脇に控えているので間が持たない、意味もなく愛想笑いをしたりする。

 やっとのことでこれはよさそうという紙を選びだし10枚ばかり購入することにした。 『楮紙須崎七匁』次回はこんな苦労はしないように名前をきっちりメモる。

 当然の配慮だが、紙は折り目が付かないようにゆるく巻いて渡された。
 紙のサイズは1m×70cmほど、かなりかさばる代物である。
 店から出て、もはや関係者の目が届かないだろうくらい離れたところでこれをつぶして平らにし、さらに折りたたんで鞄にしまいこんだ、ちょっとだけ心が痛んだ。

続く。


2005年02月23日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部