写真
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外から順に
ウレタンゴム(とても柔らかい)
ウレタンゴムを丸く保つための芯になるスプリング
全体を支える板バネ(前回も合わせて参照されたい)


* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number 




Roll 166 たのしいお買い物 その6「板バネ」

 縮むゴールリングの話を続ける。

 板バネを扱っている店を調べるのは電話帳だよりだったが幸いにもすぐ探しだせた。
 きっとそういうところだろうなあ、と思って出向いてみると案の定そこはオフィスであり事務員さんたちが忙しげに働いている。
 そして案の定「どのような規格のものがお入り用でしょう?」と聞かれた。

 規格も品番もわからないではお出しできませんと言われかねない、いちばんまずいシチュエーションである。

 とはいえここで買えなければいきなり仕事は頓挫する。
 ダメもとで『私は映画の仕掛けを作っている者で、直径45センチの輪にして一ヶ所だけで支えても水平が保たれる強度があって、幅2センチ以内の板バネが必要なのです』と伝えた。

 その事務員さんは一瞬困っていたが(あたりまえだ)「倉庫で自分でさがしていただけますか」と、これ以上もない回答をしてくれ店の裏手にある倉庫に案内してくれた。

 大きな倉庫の中に無数の板バネが山積みされている。
 一種類づつ直径数十センチの輪になって束ねられ、それぞれ錆止めの布が巻かれているので、自動車のタイヤがいっぱい並んでいるようにも見える。

 事務員さんは、倉庫で荷物を仕分けしてるおじさんに私を示し「自分で探させてやって」と言い残して去っていった。

 しかし布が巻いてあるので中身がどういうものかまるでわからない。どうやらそれぞれに付けられている荷札の記号で見分けるもののようだ。
 仕事のジャマをするようで気が引けたが、私はそのおじさんに記号の意味を聞き出した。

 記号をたよりにブツ選びを開始する。
 錆止めの布をほどいてバネをむき出しにし、端から1mばかり引っ張り出して輪つくり、両手で力をこめてたわみ具合を確かめる。もうちょっと強くないとダメかも、布を巻きなおして、別なものを出してみる。いいかもしれない・・がチト幅がありすぎるかも。品番をメモして、布を巻直し、別な束を・・・延々と繰り返してようよう3種ほどの候補を拾いだした。

 何をしているのかこの男は? という目で私を見ていた(そりゃそうだ)おじさんにこれらの束を示し、実は2mづつ欲しいのだが、というとおじさんは大爆笑。2mなんて値段もつきゃしないよ、持っていっていいよと言うとそれらを手早く切って丸めてくれた。

 感謝感激雨あられである。なかなかさい先がいいではないか。次はスプリングである。なぜスプリングが必要になるのか・・は、写真を見ていただきたい。

 続く。


2005年03月09日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部