写真
---> 拡大表示

書棚から映画の原作になった本を抜き出してみました。
その数およそ240。しかしあきらかにあるはずの本が見つからない。
おかしいな、引っ越しの時に・・・


* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number 




Roll 171 Original【原作】part3

 映画を先に観るか、原作の小説を先に読むか、という話を続ける。

 結論を先に言ってしまう。
 映画好きであると同時に、小説読みでもある私に言わせれば、

「先に映画を観るなんてとんでもない!」

 ということになる。
 なんとなれば、小説を読む時の楽しみである自分なりのイメージの構築という部分をまるで奪われてしまうからだ。

 映画は主人公の顔かたち、喋りかた、舞台となる街のありよう、原作に語られていることも語られていないことも含めて、すべて決め打ちで観客の前に提出してくる。
 そして人間は視覚的な動物なので一度インプットされたイメージに影響を受け安い。

 ましてや映画は漠然と見た人物、風景などではなく、その道のプロが演じ、その道のプロが印象深い絵作りとなるよう工夫を凝らしたイメージの集大成なのだ。
 前もって何のイメージも持っていない状態、乾いたスポンジ状態にそれを流し込まれたらもうそれは見た者の脳髄にしっかりと定着し、引きはがすことなどできなくなる。

 つまり一度映画を観たらもう「それっきり」なのだ。

 何をどう読んでも映画の主人公が頭に浮かびその彼(?)が動き、喋る様子が頭に思い浮かんでしまう。
 当然だが、着ている服も、乗っている車も。その車が走る街の様子ももはや他のものを想像する余地がない。

 これで小説を読んでいると言えるのか? という話を次回<part4>にしたい。   


2005年04月20日掲載

<--Back     Next-->



Copyright :
マカロニ・アンモナイト編集部