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水の上を歩く男、その名は特撮美術部
手前に「トニーひむろ」(2005年1月26日「伝説」参照)が置いてあります


* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number 




Roll 174 Original【原作】part6

 さて「ハウルの動く城」だ。
 これは私の中では当然のように観に行くべき映画として分類されている。日本人として正月は初詣に行くのは当然でしょ? という感覚に近いかもしれない。

 とはいえこれは宮崎詣でであって、原作に心ひかれたから行くというわけでは全然なく。私にとってはきわめて異例なことながら、原作を読まぬまま映画を観に行ったわけだ。

 ところがしかし、映画がいまひとつよくわからない展開だっだせいもあって「魔法使いハウルと火の悪魔」を読んでみようという気になってしまった。

 映画を先に観ちゃいかんのだがなあと思ったが。あの宮崎の映画であるからにはいつものように、よくあるように、映画は小説とまったく別なものに仕上がっていて、結果小説は小説なりの面白さを得られるのではないか、と思っていたのだが。

 ・・・ダメだった。

 思ったより映画が原作に近かったこともあって、ともかくハウルが出てくればあのアニメ顔が頭にうかび、キムタクの声で台詞が聞こえてくる。

「動く城」も原作では空中に浮いているのだが、もはやギッチョンギッチョンと歩いている様しか思い描けない。
 歴然と違っているものですら排除できないのだから、自分なりのイメージをふくらませる余地などありようもないわけだ。

 これでは映画を頭の中で再構成しているだけだ、原作は一個の作品ではなく別バージョンのシナリオと化している。
 これはすでに小説を読むという行為ではない。

 (<part7>へ続く)




*編集部注
映画「ハウルの動く城」(2004年/二馬力・TGNDDDT)
原作:魔法使いハウルと火の悪魔(ダイアナ・ウィン・ジョーンズ・著/徳間書店)


2005年05月11日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部