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照明技師の愛犬がスタジオ見学に来たれり


* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number 




Roll 179 コミュニケーション その1・イメージ(観念)

 映画は総合芸術であると言う。
 私は、すくなくとも私の分野の仕事は、芸術とはほど遠いものだと思うのだが話の都合上そういうものだとしておく。

 さてしかし本来芸術は一人の天才の苦吟の末にこそ生まれ出るものだろう。
 それを打ち合わせによって産み出すのは容易ではない。
 なぜならそれにはイメージの伝達が欠かせないからだ。

 天才の苦吟は、言語化できないイメージ(この場合のイメージとは「心象・観念」といった意味だが)を何とか形にしようとする苦しみに他ならないと思う、それが文字になり絵になり音になったときに作品は完成するわけだ。

 しかし映画制作においては自分の持つイメージを他人に伝達し、かつ他人の持つそれを理解するところが出発点だ。
 たとえば監督は自分のもつそれをスタッフに理解してもらわないでは何も作り出すことはできない。

 監督は現場では神のごとき絶対権力者であるが、いっぽう自分では何も生み出せないもどかしい立場にいる、役者にスタッフに動いてもらわないでは何も手にすることができないのだ。
 つまり彼にとっては意思疎通こそが思い通りの映画を作る唯一の手段なのだ。
(続く)


2005年06月22日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部