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まるでビニールハウスのようなスモークルーム、リドリー・スコットのような絵が撮れます


* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number 




Roll 180 コミュニケーション その2・ピンポン

 映画における優秀なスタッフはよく職人と呼ばれ、その技は職人芸と言われたりする。
 しかしありがちな職人像、寡黙にして頑固一徹という生き方(つまり自分を語らず、人の意見に耳を傾けないというような)では映画屋にはなり得ない。

 まずは監督とキチンとコミュニケーションをとり、その言葉からイメージを抽出できなければ仕事にならない。
 さらに監督のイメージをそのまま絵にして見せたのでは充分ではなく(「総合芸術」をやっている意味はない)理解した上で自分なりのイメージを再構築し、自分がやろうとしていることを正しく監督に、あるいは他のスタッフに伝える必要がある。
 それはあるいはまた誰かの霊感を刺激するかもしれないのだ。

 映画制作はそんなイメージのピンポン作業だ、受けて打ち返し、また打ち返される、そうやって映画はふくらみを増す。

 以前にも書いた事だが。
『それにしても、この映画は明らかに自分を超えた。自分ひとりで思うままに作ったら決して超えられなかったであろう限界を、複数の力でやすやすと越えてしまった』
「お葬式」日記(伊丹十三/文藝春秋)より)
ということだ。

 このことはなにも撮影現場だけの問題ではないだろう。
 スポンサーを回り予算をかきあつめるプロデューサーは監督のイメージを自分の言葉として他人に説明できなければ成り立たない。
 つまり映画屋にとってもっとも重要なものはコミュニケーションなのだ。
(と言い切ったところで続きは次回に)


2005年06月29日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部