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紙コップを使った照明部お手製の照明器具


* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number 




Roll 183 コミュニケーション その5・特撮屋

 「映画屋は映画が好き」と前回述べた。しかし「映画」と一口に言ってもその数は多くジャンルは広い。
 過去の映画を叩き台にして打ち合わせ、と言ってもその場にいる人間全員が観ている作品であらねばならないわけで、必然的にその数は限られてくる。
 古典・名作・ヒット作といったところだ、使えるタイトルの数が限られれば他の方法をとらざるを得ない場面も出てくる、つまりは「自分の言葉で」という当たり前なことなのだが。

 しかしここに特撮屋というものがいる。
 好きでなくては映画屋にならないと述べたがその中でも特撮映画というのはニッチな世界である。
 特別な思い入れでやっている人もいれば子供だましと軽侮する人もいる。
 助手レベルだと「特撮物の仕事なんか回されちゃったぜ」と嘆く人間もいないではないが、技師クラスではありえない。
 特撮物には普通の映画では必要のない特殊な知識・技術が要求され、その習得には時間がかかる、つまり助手時代から好きで望んでかかわってきた者でなければそこに居ないのだ。

 それがどういうことかと言うと彼らの趣味には一定のバイアスがかかっており、好きな(つまり観ている)映画の方向性が似通っている(かもしれない)ということなのだ。

 マイナーな映画、というものがある、カルトというものも、話題にもならなかったが一部の人間にはウケが良く観る人は見ているといった映画。
 普通そんな作品はスタッフ全員の共通の認識となり得ない。
 しかし特撮スタッフの中では、一定のジャンルについては、そうとうにマイナーな、あるいはB級の、あるいはカルトな映画でも「皆観て知っている」という状況が成り立つ。

 結果、特撮班の打ち合わせは過去の作品の名前が飛び交うことになる。(続く) 


2005年07月20日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部