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グリーンバック撮影中、緑に塗ってあるものはとりあえずなんでも見えないことになります。


* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number 




Roll 188 華麗にいこうぜ その4

 出番になるとサッと出てきて、たちまちセッティング完了、1発でOKを出してさっそうと引き上げる。
 これが操演部としての私の理想だ、自分だけの勝手な妄想かと思っていたらトリュフォーも同じようなことを考えていた、という話は前回した。

 自分だけかと思っていた、ということはつまりは身近な人とちゃんと話しあったことがなかったということだが、先日グリーンバック撮影(合成カット撮影、かつてはブルーバックだったが今はグリーンが主流になっている)をしている最中、私のチーフアシスタント君が美術部の下っ端を見て「グリーンバックが初めてというわけじゃなし、あいつはなんで工夫してこないんだ」とブツブツ言っていた。

 その美術の助手くんは、緑に塗った板や紙テープを用意して、見えてはならない部分(たとえばミニチュアを固定している支柱)にそれを貼り付ける仕事をしているのだ(緑になっている部分はデジタル的に見えなくなる)
 しかしカットが変わるたびにいちいち板を切ったりテープを貼ったり、実に手際が悪い仕事ぶりなのだ。

 それは今までに何度となくやっている仕事であり、彼にしてもどういうものが必要になるかわかっている筈のものだ。
 「こう来たらこう、ああきたらこうと自分で工夫して準備しておいて、バレ隠しお願いって言われたらたちまち仕事を終えてみせて、良いカッコしてみたくないのかなあ」とチーフ君は言う。

 「そうだよね、仕事はカッコよくいきたいよね」
 私は答えながら駈け出しの頃世話になった操演技師の得意のセリフを思い出した。
「ネギやん、仕事は華麗にいこうぜ」
 このことだったのだ!


2005年08月31日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部