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グリーンバック撮影の背景マーカーです
普通、合成撮影の場合カメラは振れません。手前(人物)と背景の動きが合わなくなるからです
でもマーカーがあるとカメラの動きをあとで解析し、合成される背景の動きを合わせることができます


* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number 




Roll 194 困ったちゃん その5 −振り子の等時性−

 催眠術の5円玉続く。

 振り子を「早く振ってくれ」と監督は言う。
 理屈はともあれ気持ちはわかる、振り子は糸の長さがN倍になると周期が √N 倍になるのだ。
 リアルサイズなら20センチほどの長さの「糸」はこの巨大な作り物では3メートル近くなっている、つまり長さが15倍だ。したがって周期は約4倍(√15倍)になっているわけだ。
 20センチの長さの振り子の周期は1秒弱だから4秒になる。

 映画であればこのカットはもう少し長く見せたほうがいいなとか、このカットは無くてもいいだろう、という事は現場の判断で決められる。しかしCMではどのカットに何秒(何フレーム)と企画の段階できっちり決められていて動かしようがない(何しろ全部で15秒しかないのだ)
 このカットに割り当てられた秒数は4秒、リアルで言えば4回往復するはずのところが1回しか振れないわけだ、いかにも少ない。

 だから「早く振ってくれ」という希望は理解できる。しかし物理の法則を無効にすることは不可能だ。

 最初から長さ3メートルの振り子を1秒に1回振る仕掛けを作ってくれ、という話であれば何かしら考えたであろうが(それはそれで凄い仕掛けになるだろうが)今回はそうじゃない。

 しかし私は特撮の専門家である、どうすれば良いだろうか?(続く)


2005年10月12日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部