* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number


写真
---> 拡大表示

洪水、津波を表現する「水落とし」はよくやりますが「砂落とし」はめったにありません(あたりまえ)
たいてい凄い仕掛けが作られるのですが、今回はデザイナーの発案でパワーショベルを使いました









Roll 197 困ったちゃん その8 −勘違い−

 「困ったちゃん」はどこにでも居る、きっとどんな分野のどんな職業にもいるのだろう。
 どこで何をしていても困るだろうが、下よりも上に居ると困る、という事情はどこでも同じだと思う。

 幸いにも映画屋は完全な実力社会なので、もし下に居た場合は次から呼ばなければいいだけだし(消えていくし)そういう人は当然上に行けないので上に居る可能性も少ない。
 つまり上級の職に就いている人に基本的に「困った人」はいない、ということだ。

 なぜか監督をのぞいては・・・ というのが不思議なところだが、これは地位が人を変えてしまうという部分があるのかもしれない。

 監督が人に指示・命令を出すのは職制上それをするべき立場に居るからで、その人が人間的に優れているからではない。
 ところが長年人が自分の言うとおりに動くのを見ていると、自分が他人より偉いと思いこんでしまうのだろう。

 ダメ出しをする時に「そもそも君は仕事に対する考えかたがね・・・」などと、人生訓を垂れるようになると困ったちゃんの仲間入りである。

 若造が何を言う、といった態度もあからさまに私をあしらった監督もその一人なのだと思う。

 スピードはあとでなんとかしよう、とか言いながらその監督さんは4秒で1回振れる5円玉の振り子を撮って帰った。

 振り子を早くすることはもちろん編集で出来る、しかし全体を早めたのではトラックアップも一緒に早くなってしまうので使えないはずだ。
 4秒でトラックアップし、その間に4回振れる振り子を撮りたいなら16秒かけてトラックアップしなければいけないのだ。

 このCMがその後どうなったのか私は知らない。


2005年11月09日掲載

<--Back     Next-->



Copyright :
マカロニ・アンモナイト編集部