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爆発カット撮影中
セットでも出来るほどミニミニサイズなのにガソリンの大爆発(ナパーム)のように見える特殊な火薬です


* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number 




Roll 199 Remake 2 −ついに映画化−

 「ついに映画化!」と宣伝するからには、かつてのファンを引きつけるつもりがあると思うのが普通だ。そしてかつてのファンはあの主人公が大画面で活躍をするところが見たいと思って劇場に足を運ぶのが普通だろう。
 先週も述べたように「スーパーマン」というのは、まさしくファンの期待を裏切らない出来であった。

 ところが近年、そうしたファンを裏切るような作品が世に出るようになった。

 私の見るところ嚆矢となったのはたぶんおそらく1989年の「バットマン」ではないかと思う。
 TVシリーズの(そしてコミックスの)バットマンといえば中年のおっさんと美少年の2人組(!)がコウモリを摸した衣装に身をつつみ(!!)、やはりかぶり物で身を固めた敵役(!!!)を相手に派手なアクションを繰り広げる、良くいえば能天気な、悪く言えば大雑把な、いかにもアメリカンな番組だったのだ。

 ところがティム・バートン版「バットマン」では、主人公ブルース・ウェインは子供の時、強盗によって両親を目の前で殺され心に深い傷を負っている。
 彼は犯罪者を憎むことによってしか自己のアイデンティテイを維持できない、狂気を湛えたヒーローである。

 敵役のジョーカーはバットマンによって化学工場の廃液タンクに落とされ(体から色素が抜けて、笑い顔のまま表情が動かなくなってしまい)もとから抱えていた狂気に完全に支配されてしまった男として描かれている。

 つまりこれは心に闇を抱えた男同士の対決、どっちの闇がより深いかという対決と化しているのだ。

 まるで原作と違う。

 明るく楽しいアクション映画を見るつもりで劇場に足を運んだ人は驚くだろう。しかしこれはヒットした、このヒットがその後の映画に与えた影響は大きい。

 次回につづく。


2005年11月22日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部