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セットに太陽(超望遠な感じ)を作っています


* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number 




Roll 207 メイキング その6

 前回メイキングを「映像作品」と呼んだ、そして制作側の意識が低く鬼っ子扱いであると。つまるところこれは作る側がメイキングを「作品」であるとは思っていない証左である。
 しかし実作者の意識によってこれは変わりうる。

 とある怪獣映画の特撮現場には朝から晩までビデオを回している若い者がいた。
 普通メイキングを撮る人間は仕上がりを予測し「使える」映像をある程度現場で選択して回すのが普通である。
 しかし彼にはそういった素材を取捨選択する権限は与えられておらず、ともかく何でも撮れと命令されていたらしい。その結果、当然のごとくに素材は数百時間に及んだ。

 それを名の通った演出家が下読み(?)を行い数十時間にまとめ、更に最終カットを行ったのが庵野・エヴァンゲリオン・秀明氏である。

 そこではエヴァンゲリオンの主人公と同じ名を持つ特撮監督が、本編監督との軋轢に悩み、モチベーションの維持に苦しみ、行く先の見えない泥沼にもがきながら、少しでも良い映像を撮るべく苦闘する姿が写しだされていた。
 作品本編と同じ長さのそれはメイキングというよりドキュメンタリーであり一本の作品として鑑賞に堪えるものであった。

 意欲と才能、結局そういうものなのだろう。

(続く)


2006年01月18日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部