写真
---> 拡大表示

グリーンバック撮影(日常の風景)とセットプール(珍しいことではない)
が、この2つの組み合わせは珍しい


* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number 




Roll 220 完成品のイメージ5 −使い回し−

 円空の話はまだ続くのだがホリゾントからは離れる、せっかくホリゾントで盛り上がっている(?)ところなのでもう少しだけこの話を続けよう。


 前回までに通常のドラマで使うホリゾントと特撮用ホリゾントの違いの話をした。しかし特撮用のホリゾントもまたTVと映画では違う。それは使い回す都合があるからだ。

 つまりTVの連続ものでは毎週毎週4クール(52話)にわたって同じ特撮ステージで撮影する。そのあいだ空はつまり雲は全部同じだ。

 また同じ1話の中にあっても「切り返し」の問題がある。切り返しとはカメラが180度向きを変えることだ。
 たとえば2人の人物が向き合っていたとする。Aを撮ったあとBの人物を撮るときカメラは正反対の方向を向くわけだがこれを「切り返し」という。
 普通はもちろんカメラが反対を向くだけのことだが、特撮ステージではそうはいかない。ホリゾントはステージの片側(4面ある壁のうちL字型に2面)しかないのだ。

 したがって切り返しの表現は写される相手を入れ替える、カメラの向きはそのままということだ。
 ミニチュアセットが飾ってあるのならそれも全部入れ替えるわけだが、ホリゾントはそうはいかない、つまり「特撮セットのカメラはいつも同じ空を撮っている」のだ。

 したがって特徴ある雲があると同じ空を使っていることがバレてしまう。

 もちろん切り返しだけでなく、都会のセットから海辺のセットと変わる場合でも同じ空を使ってのがバレたらまずい、しかしシーンが変われば見ている側の意識も変わるので気付かれにくい。

 一方同じシーンの中で「対峙する怪獣AとB」「A怪獣のアップ」「切り返して怪獣Bのアップ」「再び引いてAとBの横位置」などと連続してカメラアングルが変わるなか、いつも同じ雲がカメラ中央に鎮座していたらこれは目立つということなのだ。

 つまりTVのホリゾントは「特徴のない空」が求められるということだ。

 続く。


2006年04月26日掲載

<--Back     Next-->



Copyright :
マカロニ・アンモナイト編集部