* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number


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カメラのフォーカスや解像度をチェックするためのチャート


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別なタイプのチャート、撮影部はこういったチャートを撮影開始前に毎日撮っています。




Roll 248 撮影機材と撮影効果 <フィルムとコマの話 その1>

 ムービーカメラを発明した人間の当初の目的は写真を投影し、動かして見せることであった。
 そのために用意された機能を最大限に(おそらく発明者が思ってもみなかったやり方で)活用し映画的表現というべきものをあみだしていったのが映画制作者だというのが前回までの話だった。

 史上初のムービーカメラにそなわっていた機能はフィルムを露光すること、そしてそのために露出を調整することの2つだけである。
 本来1回こっきりで終わることを想定して作られたはずの露光を「もう一度撮ったらどうなる?」と発案されたのが多重露光であり、
 本来適正な明るさでフィルムに露光することを考えて作られた絞りを撮影中にいじって出来たのがフェードイン、フェードアウトである。

 その多重露光と露出の活用について話をするのについ連載5回分も費やしてしまったが(私がジョルジュ・メリエスが大好きなせいであるが)実はこの当時から調整可能な要素というものがもう1つあった。

 それは撮影コマ数の変更というものだ。

 撮影コマ数の変更は速い側と遅い側に分かれる。遅い側のいきつくところはストップモーション(別名コマ撮り)撮影であり、日本のお家芸、アニメーションの基礎である。(すでにメリエスが自分の作品で使っている、彼のトリック撮影のアイデアが豊富であることには驚くほかない)

 速い側−高速度撮影−は、そう簡単ではなかった「劇的な効果」が得られるほどに高速でコマが送れるカメラの開発にはまだしばらくの時間が必要だったからだ。

 しかしなにはともあれコマ数の変更、というのはカメラ本体のみで実行可能な撮影効果である。
 話を撮影機材の周辺機器に移す前に触れておくべき事柄だろう。

 ・・と、その前に映画における撮影スピード、「コマ数」についての基礎知識を書いておいたほうがいいような気がしてきたので、次回はまずコマ数の意味と歴史を軽くおさらいしてみたい。


2006年11月29日掲載

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