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火山の噴火か? 何だ? という凄い絵に見えるがドライアイス(箱の上に乗っているレンガ状の物)に蒸気を当て、出た煙にカラーライティングしてるだけの簡単で安全な仕掛け。


* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number 




Roll 254 <フィルムとコマの話 その7> サントラ

 少しと言いつつ3回も書いてしまったが、今回でサウンドトラックについては終わりにしよう。


 さて「サントラ」という言葉がある。「映画音楽」というほどの意味で使われている言葉だが、これがここ数回に渡って述べてきた「サウンドトラック」をつづめた言葉であることはお気づきだったろうか?
 つまりサントラとは本来フィルムに焼き付けられた音楽という意味なのだ。
 だから映画音楽であっても(それが同じスコアであっても)新たに演奏、録音されたものはサントラではない。

 また、TVの主題歌やゲームミュージックなどでもサントラという言葉が使われているが、ビデオ制作のドラマやデジタルデーターでしかないゲーム音楽はサントラになり得ないのだ。

 フィルム上にしか起こらない現象「ハレーション」も、言葉は他のメディアに広く行き渡っている。「サントラ」も似たようなものだと言えるかもしれない。
 「ノンモン」の時にも言ったが、映画はいろんな所で他ジャンルに影響をあたえているのだなと思う。

 ともあれ今や言葉の意味は拡散し、映像作品で使われた音楽>サントラ、が定着しそうな流れになっている。

 困っているのが本来のサントラを出している映画会社やレコード会社だ。つまり「これが本当の本物ですよ」という売りが埋没してしまうからだ。

 そこで開発された言葉が「オリジナルサウンドトラック」という言葉である、文字どおり「映画で使われた原曲です」という意味を強調した言葉だ。

 しかしアニメやゲームではヒットした作品の音楽をオリジナルとはまったく違う味付けで売るビジネスが定着している(音質も編曲もゲーム機なりのものでしかなかったゲームミュージックをクラシック仕立てにして発売する例など枚挙にいとまがない)

 そういう業界が、「映像作品用として作曲された音楽>サントラ」「原典で使われた音楽そのもの>オリジナルサウンドトラック」というような使い方をしているのでオリジナルサウンドトラックという言葉さえ拡散し始めている。

 「これは映画音楽で、劇場で観客が聞いた音楽と同じものですよ」ということを保証する言葉を映画業界は新たに発明しなくてはならないかもしれない。


2007年01月17日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部