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夜景用のミニチュアビルを後ろから見たところ。部屋のあかりを作ることを「灯入れ」と言います。トレーシングペーパーで光を拡散(ディフューズ)し、黒ラシャ紙で部屋ごとの変化を付けていきます。


* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number 




Roll 256 <フィルムとコマの話 その9> テレシネ

 「映画が秒24コマで撮影・上映されているというのはよく知られた事実だろうと思う」と7回前に書いた。
ポーランドは違うらしいが、今はそういうことにしておいていただきたい)

 同様にTVが秒30フレームで放映されているということをご存じの方も多いと思う。ならば映画をTV放映するとき、コマ数の違いはどう処理されているのだろうか?

 1コマをそのまま1フレームに置き換えるわけにはいかないのは言うまでもない(25%増しの早送りになってしまう)

 したがって映画をTVに変換する作業(テレシネ)には特別な仕組みが必要になってくる。

 まずはTVの描画方法を説明しよう。

 TVは秒30フレームと言われているが、実際には1/60秒で走査線を一本おきに描き換え、次の1/60秒で残りの半分を描き換えている。
 これをインターレース(飛び越し走査)というのだが、よく言われる秒30フレームというのは「1/30秒の間に全部描き変わる」という意味でしかなく、実際には1秒のあいだに60枚の画(フィールドと呼ばれる)が必要なのだ。

 テレシネはそこを利用する。つまりフィルムの1コマ目をTVの2フィールドに変換し2コマ目を3フィールドに変換するのだ、TV側にしてみると2コマ同じ画が続いたあと3コマ同じ画が続くことになる。

 これを繰り返すとあら不思議、24コマが60フィールドになってつじつまが合う。
 2−3プルダウンというこれがテレシネの標準的な方法である。

 この仕組みはよく考えられているが問題がないわけではない。
 たとえばの話、移動する物を撮影した場合、ビデオ収録の映像は60フィールド全てが均等に動きをとらえているのに対し、テレシネ映像は2つ止まって動き、3つ止まって動きという映像になっている。場合によってはこれがギクシャクした感じに見える「こともある」のだ。

 これは小さなTVでは気付きにくい。逆に言うと大画面のTVでDVD化された映画を観ると、動きがなめらかに見えなくなる「場合がある」。これは覚えておいていいかもしれない。

 テレシネ次回へつづく・・ポーランドの話も。


2007年01月31日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部