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* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number 




Roll 257 <フィルムとコマの話 その10> コマーシャル

 毎日数多く流されているTVコマーシャルはムービーカメラを使い35ミリフィルムで撮影されている。
 そして現像されたフィルムはスキャンされD‐1もしくはD‐2という規格のデジタルビデオに変換されて編集・加工に回されるのだ。

 どうせビデオ化するなら最初からビデオカメラで撮ってもよさそうなものだが必ずフィルムで撮る。これは素材をまず最高の画質なものでとらえておきたいという要求によるものだ。

 しかしCMの制作スケジュールはタイトで、出るタレントが売れっ子ともなれば拘束できる時間は限られる。
 丸1日経たなければ結果がわからないフィルムより、その場で絵を確認できるビデオのほうがはるかに効率はいいはずなのだがそれでもフィルムを使う。ハイクオリティを希求する制作者の要求にいまだビデオが答えていないということだろう。

 15秒のCM1本に、劇映画1本と同じくらいの制作費が投入されることもあると言えばその要求の高さもしれようというものだ。

 さてムービーカメラで撮影するとはいえ、TVCMの撮影は秒24コマではなく30コマでおこなわれる。

 なぜか? そもそも映画が24コマで撮影されるのは劇場で上映するためだ。
 これをビデオ化する際、2‐3プルダウンという手法を取らざるを得ないのも映画が主でビデオが従であるためだ。

 しかしCMはそうではない、もとからスクリーンに上映することは考えられていない。だから動きがスムーズに見えない「かもしれない」2‐3プルダウンというつじつま合わせを避け、コマとフレームが1対1のテレシネが可能なよう最初から30コマ撮影しておくことが可能になるわけだ。

 さて今回のお話は「1秒24コマで回っていないカメラの話」である。時と場合によっては「撮影効果」のためではなく24コマでないコマ数で撮影する場合があるということを知ってほしい、と言ったところで次回に続く。

・・と言っておいてなんだが、次回はTVCMについての余談になる。


2007年02月07日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部