* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number


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怪獣がビルを壊すカット準備中。
「本物」で「テスト」は出来ないので、段ボールで作ったビル登場(演出部製)









Roll 260 <フィルムとコマの話 その13> NTSC

 最近DVDが安くなっている。新作のハリウッド映画でも3000円程度、少し前に公開された映画などは1000円とか2本で1500円とか、さらに「旧作」と言われるようなものはレンタル料金に毛が生えたような値段で売られている。

 にもかかわらず日本のアニメーション作品は高い。
 それは数が出ないからだとも言えるが、マニアは高くても買うだろうと映画会社に足下を見られているせいでもある(コレクターズアイテムを付けて10,000円を超すアニメも希ではない)

 私のようにコレクター属性がまるでない人間にとってはこれは嬉しくない、映画は映画でありさえすればいいのだ、特典映像も別にありがたくない。

 そういった人間にとって福音なのは逆輸入だ。アニメは日本の主要輸出産業と言われるほど海外に多く輸出されている、そして海外では「普通の」値段で売られているのだ。だからこれに輸送料を乗せても国内で買うよりはるかに安く買えるというわけなのだ。

 ビデオの時代は、輸出されたアニメが英語吹き替え版になってしまうこともあったが、今はDVDなので音声は多重化されており、まず確実に原盤どおり(言語=日本、字幕=ナシ)モードで視聴できる、DVDさまさまである。

 アニメという特殊な話を今述べたわけだが、普通の(?)映画ファンでも海外旅行でビデオを買ったとか、日本のショップで輸入版を買ったというくらいのことはあるかもしれない。しかしこのようなことが可能な国には限りがある。

 なぜならビデオの記録方式には大きくわけて3種類あり、これが違うと同じメディア(VHS・LD・DVD)でも再生できないからだ。

 日本人にとって海外の映画と言えばまずはハリウッドであり、アメリカが同じ陣営に属しているから気にもとめていないが(気にとめる必要がなかったが)実はこの陣営「NTSC方式」を採用している国や地域は少数なのだ。

 どれほど少数派であるかといえば・・・。


◆NTSC陣営◆

◇アジア◇
日本・フィリピン・ミャンマー・韓国・台湾

◇南北アメリカ◇
アメリカ・カナダ・メキシコ・ガテマラ・ニカラグア・コスタリカ・パナマ・ベネズエラ・エクアドル・ペルー・ボリビア・チリ


◆PAL陣営◆

◇ヨーロッパ◇
イギリス・ドイツ・イタリア・オランダ・デンマーク・スイス・スペイン・ギリシア・ポーランド・ポルトガル・アルバニア・オーストリア・アゾレス諸島・ベルギー・ボスニア ヘルツェゴビナ・カナリア諸島・クロアチア・エストニア・フェロー諸島・フィンランド・ジブラルタル・グリーンランド・アイスランド・ラトビア・リヒテンシュタイン・リトアニア・ルクセンブルク・マケドニア・マデイラ諸島・マルタ・ノルウェー・ルーマニア・セルビア・モンテネグロ・スロベニア・スウェーデン・トルコ・バチカン

◇アジア◇
香港・アフガニスタン・バーレーン・バングラデシュ・ブルネイ・中国・キプロス・アラブ首長国連邦・パレスチナ自治区・インド・インドネシア・イスラエル・ヨルダン・クウェート・レバノン・マカオ・マレーシア・モルジブ・ネパール・朝鮮民主主義人民共和国・オマーン・パキスタン・カタール・シンガポール・スリランカ・シリア・タイ・トルコ・アラブ首長国連邦・ベトナム・イエメン・ラオス

◇南アメリカ◇
アルゼンチン・パラグアイ・ウルグアイ

◇南アメリカ◇
ブラジル・フォークランド諸島

◇アフリカ◇
アルジェリア・アンゴラ・ボツワナ・カメルーン・カーボベルデ・エリトリア・エチオピア・ガンビア・ギニア・ビサオ・ケニア・レソト・リベリア・マラウィ・モザンビーク・ナミビア・ナイジェリア・セイシェル・スーダン・スワジランド・タンザニア・ウガンダ・ザンビア・ジンバブエ・シエラレオネ

◇オセアニア◇
オーストラリア・クリスマス諸島・クック諸島・イースター島・ニュージーランド・ノーフォーク島・パプアニューギニア・ソロモン諸島・トンガ・バヌアツ


◆SECAM陣営◆

◇アジア◇
ロシア・カザフスタン・ウズベキスタン・トルクメニスタン・アゼルバイジャン・イラン・モルドバ

◇ヨーロッパ◇
フランス

◇アフリカ◇
モロッコ・モーリタニア・マリ・コートジボアール・ニジェール・チャド・南アフリカ共和国・コンゴ・マダガスカル・チュニジア


 といったところだ。
 国別ではなく地方別になっているところもあるが、NTSC陣営が圧倒的少数派であることはご理解いただけただろう。
 つまりヨーロッパ映画は輸入しても見られないし、世界最大の映画大国インドへ旅行してもおみやげに買って帰るわけにはいかない。

 何でこんな話を始めたのがまるでわからないとは思うが、続きは次回に。


2007年02月28日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部