* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number


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先週の続き、本番用壊れビル。
操演部が火薬、ホコリを出す仕掛け(手前の羽子板のようなもの)を仕込み本番寸前。









Roll 261 <フィルムとコマの話 その14> PAL

 世界にはビデオ放送形式が3つあるため、その差異を考慮せずに外国でビデオを買ってきたり、個人輸入したりするわけにはいかないというのが前回のお話だった。

 ともかくアジア・ヨーロッパ・アフリカ・オセアニア(世界の大多数)で日本と同じNTSC方式のビデオを採用している国がほとんど無いのだ。
 だまって海外版を買ってOKなのは事実上アメリカ製のビデオだけである。

 ではこの多数派であるPAL方式とはどういう規格なのだろうか?
 PALとは本来 Phase Alternating Line 「位相反転走査線方式」の略だが、TV技術者から Perfect At Last「究極の完璧さ」の略だというジョークがでるほどに優れた色調整の仕組みを持っている「らしい」(私はTV技術についてはよくわかりません)

 逆にNTSC方式 National Television System Committee「(アメリカ)国家テレビシステム委員会方式」は受像器側で色調整をする必要があって、関係者からは Never Twice the Same Color「けっして再び同じ色にならない」の略だと揶揄されている。

 このようにPALはTVシステムとしては完璧かもしれないのだが死角がある。
 PALは1秒25フレームで画面を構成しているのだが、この秒25というのはテレシネに不向きなのだ。

 NTSCは映画をビデオ化する際には2‐3プルダウンという、つじつまあわせながらもコマ数の割り切れる仕組みを持っている(1秒間に12回コマとフレームが同期する)
 PALではどうしているかいうとこれが実は何もしていないのだ。

 つまり映画の1コマをTVの1フレームにそのまま割り当ててしまっている。するとどうなるか?
 映画をTVで見ると25/24、つまり4%ほど早廻しになってしまうのだ。

 役者の動きは早送り、セリフは早廻し、90分の映画なら4分近く早く終わってしまう。
 4%くらい動きが早くなっても見ている側には気付かれないからいいのだという(そうか?)

 音楽は音程が半音の2/3ズリ上がってしまうのでさすがに補正するが、テンポアップしていることには変わりない。

 ホントに? と思うが、たしかに同期をとりつつ24コマから25フレームを作り出す仕組みは無いのかもしれない。

 さてここでついに「25コマ」という数字が出てきた。もう読者はすっかり忘れていると思うがこれがポーランド映画の話に続くのだった。


2007年03月07日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部