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* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number 




Roll 269 <フィルムとコマの話 その22> コピー

 前回「光学合成」の仕組みについて説明した。

 ようするにそれは秘技(?)などではなく、撮影し、現像したフィルムを別なカメラで再撮影する行為に他ならない、要するにコピーである。

 コピーといえばコピー機を思い浮かべる人が多いと思うがフィルムによろうと電子複写機によろうとそれには同じ弱点がある。つまりコピーを繰り返すと粒子が荒れるということだ。

 コピー機の専用モードを使っても写真のコピーが原典に遠く及ばないのは周知のとおり、そしてコピーのコピー、孫コピーなどは使いものにならない。

 これはRoll244の回にも触れたことだが、特撮映画に必須である合成とはつまりはフィルムのコピー作業であり、それは画質の低下を招く行為に他ならないということなのだ。しかも特撮の合成は子/孫では済まない。

 たとえば宇宙空間を飛んでいる宇宙船にレーザーが当たって爆発が起こる・・・ 要するにスターウォーズ第一作目*の冒頭のようなカットだが、これを構成するためにはいくつの要素が必要だろうか。
 星空素材に惑星を合成した背景を作り、次に宇宙船を合成し、レーザー光線を合成し、更には爆発を、と何重もの合成作業が必要となる。

 出来の良いミニチュアを作り、適切なライティングを行い、正確なマスクを制作して慎重な作業を行ったとしても画質の低下はまぬがれない。

 それだけを見ている分にはあるいは気にならないかもしれないが「撮りきり」で済んでいる(つまり画質の低下の起こっていない)本編の絵に直結するとその差はあきらかになる。
 観客は普通「画質」などには注意を払わないし、何か変と思ってもそれが何に由来するのかにまで気が回らないことも多いが、本編、特撮を切り返した時に感ずる違和感が画質の差である可能性は高い。

 しかし特撮に合成は不可欠である、ならばどうしたら良いのだろうか?


※編集部注:
 スターウォーズ第一作目
 =今でいうエピソード4(新たなる希望(1977年/米国))のこと


2007年05月09日掲載

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