* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number


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「エアキャノン」今回は上向きノズルのテストです


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こと希望と違ってあまり拡散しませんでした
ノズルの改造が必要と思われます





Roll 271 <フィルムとコマの話 その24> ヴィスタビジョン

 ヴィスタビジョン方式という映画がある。パラマウントが1950年代に開発したもので35ミリフィルムを横に使って撮影するものだ。

 普通の映画がフィルムを縦に使って横長の画面を記録しているのに対し、ヴイスタビジョンは35ミリのフィルム幅を画面の縦方向に使う、つまりフィルムの面積が倍あるわけだ。

 上映する際はこれを縮小焼き付けして普通の35ミリにするのだが、撮影時(ネガフィルム)に倍のフィルムサイズを使っているために高画質な上映プリント(ポジフィルム)を得ることが出来る。

 さて光学合成による粒子の荒れを防ぐもう一つは? というのが前回までの話だったが、この縮小焼き付けがヒントになる。

 どういうことかと言うと、縮小すれば画質が向上するということは、逆に言えば画質が低下したフィルムでも縮小焼き付けをすればリカバリー出来るということだ。

 つまり特撮は最初から大きなフィルムを使って撮影し、縮小してフィルムのサイズを本編と同じにすればよいということなのだ。

 フィルム自体の質が向上したため高画質なプリントを目的としたヴィスタビジョンは廃れてしまった*が後年『スターウォーズ』で復活した。
 スターウォーズ第一作目**のSFXはジョン・ダイクストラの開発した「ダイクストラフレックス」によって撮影されたのだが、これはモーションコントロールとヴィスタビジョンを組み合わせた撮影機材である。
 ここでヴィスタビジョンはまさしく画質の低下を補う(正確に言えば、本編との画質の差を埋める)目的で使用されているのだ。

 さてダグラス・トランブルはこの大判フィルムによる画質向上効果を大胆に(本編と差を埋めるどころではなく)「効果」として作品に取り入れた、という話を次回にしてみたい。


*筆者注:
 今でも「ヴィスタ(ビスタ)」と呼ばれる映画がありますが、これは画面の縦横比(アスペクト比)がヴィスタビジョンと同じという意味であって、撮影方式がヴィスタビジョンであるという意味ではありません。
 ヴィスタにはアメリカン・ヴィスタ(1×1.85)とヨーロッパ・ヴィスタ(1×1.66)があります。
 撮影方式であるヴィスタビジョンと区別するためこれをヴィスタサイズとも言いますが「サイズ」というのもこれまたおかしな言い方です。



**編集部注:
 「スターウォーズ第一作目」
 =今でいうエピソード4(新たなる希望(1977年/米国))のこと


2007年05月23日掲載

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