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これがマッハバンドだ

矩形はそれぞれ単色ですが境目付近でコントラストが上がって見えるため、へこんでるように感じませんか?


* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number 




Roll 279 <フィルムとコマの話 その32> デジタル画像とマッハバンド

 デジタルデーターといえど画質は劣化するという話の続きをする。

 前回、解像度を決め色を数値化する、色はR/G/B各色8ビットというのが標準だと書いた。

 8ビットとは、10進数で言えば0〜255であり各色の明暗を256段階で表現できるという意味だ。この数字を色深度と言う。
 色深度が深いとはこまかく分けるということであり、色深度が浅いとは大雑把ということだ。

 この色深度8ビットの場合、256×256×256=16,777,216、約1670万色を表現できるということになる。
 これは24ビットのフルカラー(またはトゥルーカラー)とも呼ばれる。

 今どきのパソコンの表示はみなこれになっているはずだ。(画面のプロパティで見ると32ビットと書いてあるが、これはプロセッサの扱うデーターが32ビット単位なのでそれに合わせているだけで8ビットはダミーである)

 この1670万色というのはきわめて多い数字のように思える、人間が識別できる限界を超えているとも言われる。だから通常の使用では充分な筈なのだが、それも画像の種類による。

 たとえばの話、東の空がかすかに白み始めた夜明け前の暗い空をデジタル様で作ろうとしたとする。

 一番明るい部分を40%の明るさにすると、驚くべし1670万色を表現出来るはずの24ビットフルカラーなのに、その画像にはたった100色しか使えない。
(画面に青の成分しかないと、そこですでに使える色が256色しかないのだ)

 こいつを大スクリーンに投影したらみるも無惨なシマシマ模様が見えるだろう。

 ストリーミング映像などではよく起きるので、思い当たるフシもあると思うが、空でも顔でも、なめらかなグラデーションであるべき部分が等高線のようなシマシマになる現象、あれをマッハバンド*(注)と言う。

 モノトーンに近い(色成分を減らす)とか、ハイキー(画面に明るい成分ばかり)あるいはローキー(暗い成分ばかり)な絵を作るということは、デジタル編集機にとってはデーターを切り捨てている行為に他ならず、データーの切り捨てとは画質の劣化に他ならない。


*注:マッハバンド
マッハバンドとは本来、隣り合った色に明度差があったばあいその境界付近ではコントラストが強調されて見える、という人の目の特性を指す言葉だ。
明るいグレ−と暗いグレーが接している時、その境界近くで明るい側は本来の色よりも明るく見え、暗い側はより暗く見えるのである。
しかしコンピューター業界では、デジタル化した映像にシマシマが見えてしまった場合、このシマシマをマッハバンドと呼ぶ。


※<フィルムとコマの話>を最初から読みたい方は →こちら 


2007年07月18日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部