「今日もカメラは回る」 文・写真/根岸泉 --->Back Number |
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Roll 282 <フィルムとコマの話 その35> 時間解像度 合成の話をする際に何度も「画質」という言葉を使った。 これはフィルムに記録された画像がどれだけシャープか、階調が豊富か、画素数を多く持っているか(つまりはキレイか)をひとくくりにして評価する概念だ。 しかしこれは1枚絵、たとえばスチール写真と同じ評価基準であると言える。 スチール写真は手に取って見られる紙焼きの状態が最終形態であり、そこで見る画質がその作品の品質そのものであると言ってよい。 しかし映画はスクリーンに映写され、動画として提供されるものだ。その「映画としての画質」をスチールと同じようにフィルムのコマで判断していいのだろうか? いやよくない、というのが話の当然の流れなのだが、それは最終的にはスクリーンに映写された状態で判断されるべきものだ。 ではフィルムのコマと上映されたものではなにが違うのだろうか? ここで出てくるのが時間解像度という概念だ。 いままでは解像度という言葉を1枚絵の細かさ(総画素数)の指標として使ってきた。実際問題として解像度という言葉はほとんどそういう意味でしか使われていないが、こと動画に関していえば少し違う。 通常使われる意味での解像度、つまり1コマに含まれる画素数を示すものは「空間解像度」と呼ばれ、もうひとつの概念「時間解像度」と区別されなければならない。 では、時間解像度とは何か、簡単に言えばこれは1秒間あたりに使用されるフレーム数のことでありfps(frames per second)で表される。 そして動画の画質は、この2つの解像度の総計で決まる、つまりフィルム1コマを見ただけで決まるものではないわけだ。 というところで来週に続く。 ※<フィルムとコマの話>を最初から読みたい方は →こちら
2007年08月15日掲載
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