* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number


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Roll 283 <フィルムとコマの話 その36> 回転シャッター

 前回「時間解像度」という言葉を紹介した。
 それは1秒間に表示されるフレーム数のことであり、簡単に言えば1秒間に表示される絵の数が多ければ解像度が上がる=画質は向上する、ということだ。

 何故か、と問うまでもなく「多いほうが良いような気がする」のは確かだろうが説明する。

 まずはカメラの仕組みについて触れなければならない。

 ムービーカメラは通常秒24コマの速度で撮影しているが、1コマ1コマの撮影はスチール写真と変わらない。つまり1コマ送って露光、1コマ送って露光の繰り返しだ。

 構造上スチールカメラと違うのはシャッターが回転しているということだろう。ムービーカメラのシャッターは半月形をした円盤であり、それがフィルムの前でクルクル回ることによって光を通過させたり遮ったりしているのだ。

 シャッターが光を通過させている時にフィルムが露光され、光を遮っている間にフィルムは1コマぶん送られる(これが1秒のうちに24回繰り返されているというのは想像を超えた忙しさである)。

 このフィルム送りの動作(上から下へ送られるので「掻き落とし」と呼ばれる)はスピードが要求される一方、露光中にはフィルムが同じ位置に完全に静止していなくてはならないという精密さが要求される。

 露光中フィルムが静止しないカメラは論外(故障)だが、停止位置が微妙にズレるという調整不良なカメラはときおり存在する(「止まりが悪い」と言う)。こういうカメラで撮影した映像は画面が動揺してきわめて見づらく、合成処理には使えない。

 つまるところこの間欠機構がムービーカメラのキモなのである。

 ところでフィルムのパーフォレーション(穴)は「掻き落とし爪」がフィルムをつかむために開いているのだが、この穴が精密さを欠いても止まりは悪くなる、掻き落とし機構と同じだけフィルムの精度は重要なのだ。

 カメラの機構続く。


※<フィルムとコマの話>を最初から読みたい方は →こちら 


2007年08月22日掲載

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