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* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number 




Roll 285 <フィルムとコマの話 その38> シャッター開角度

 前回までにムービーカメラのシャッターの仕組みを説明したわけだが、ここでシャッタースピードの話に移る。

 スチールカメラではシャッタースピードはカメラマンの自由に設定できる。スポーツ写真などで決定的な一瞬をクリアに捉える1/1000秒から、夜空を何時間にもわたって露光しつづけるような写真まで自由自在だ。

 ムービーカメラではそうはいかない。ムービーカメラのシャッターがフィルムの前で回っている半月形の円盤であると前回までに述べた。1秒24コマの映画の場合この円盤は1秒間に24回、回転しているわけだ。

 円盤は半月形なので1回転のうちの半分で光を通過(露光)させ、半分は遮っている。円盤の回転速度は1回1/24秒なのだから、露光時間は1/48秒となる。

 シャッタースピード1/48秒、ムービーカメラのシャッタースピードはほぼこれで決まりだ。

 ほぼ、というからには選択の余地があるのかと言えば実はそのとおり、といってもこれ以上のスローシャッターは原理上不可能だ。

 早くするぶんには方法がないでもない、というか実は機構上「いくらでも早くする」ことが出来る。
 どういうことかと言うと、シャッターの半月は実は半月形の円盤2枚が重なってできており、この2枚をずらすことによって、露出時間を変更できるのだ。

 2枚が完全に重なっている状態、1周の半分を露光、半分を遮光している状態、これを「シャッター開角度180度」といい先に述べたようにシャッタースピードは1/48秒になる。

 2枚の半月をずらしていくと、光が通過できる部分が減っていく。
 シャッターの形が3/4円(パックマンが口を開けたような形)になるとこのシャッターは1回転のうちの1/4しか光を通さない。
 1回転1/24秒、そのさらに1/4、というわけで「シャッター開角度90度」ではシャッタースピードは1/96秒だ。

 シャッタースピードを上げれば絞りを開けていかねばならないが、光量さえ足りるならシャッター開角度9度、シャッタースピード1/1000秒だって可能だ。

 ・・・理屈では、というところでムービーカメラのシャッター速度の話はまだ続く。


※<フィルムとコマの話>を最初から読みたい方は →こちら 


2007年09月05日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部