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ロケハンシリーズ
本栖湖へ行きました、あまりに奇麗。


* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number 




Roll 286 <フィルムとコマの話 その39> ストップモーション

 人の目は1秒間ものを見ていればその1秒間ずっとその映像を捉えている(あたりまえ)。
 しかしムービーカメラはそうではない、ということをこれまでに説明してきた。

 1秒24コマの撮影では、1/48秒をフィルムに送り、次の1/48秒はファインダーに送っている(カメラマンが見ている)。つまり被写体を間欠的にしか捉えていないのだ。

 言い方を変えれば、ムービーカメラは1秒のうちの0.5秒ぶんの動きしかフィルムに記録していないということだ。それが映写したときちゃんと動いて見えるのは、残像とボケ(動きボケ)のおかげである。

 動いているものは1/48秒の露光時間の中で位置が変わり動く方向ににじみが出る、これが動きボケだ(と、改めて説明するまでもなくスチール写真でもおなじみの現象だろう)。
 映画は残像とボケによって間欠動作の不自然さを打ち消しているというわけだ。

 ムービーにおいてこの「ボケ」はきわめて重要であり、それは人形アニメを見るとよくわかる。
 人形アニメ、ストップモーション撮影とも呼ばれるが、これはポーズを変えることが出来、そのポーズのまま固定することが出来る人形を1コマ撮っては少し動かし、1コマ撮ってはまたちょっと動かすという撮影技法だ。

 この場合、撮る瞬間人形は常に静止しているので動きボケは一切発生しない。

 人形アニメと言われて誰もが思い描くであろうあの固い動きはこれが原因である。
 あのぎこちなさが素朴な感じを与え、味として有効に作用する作品も多いが、特撮映画などで映像にリアルさが要求される場合は問題になる。

 特に難しいのが「羽ばたき」だ。その問題点が特にあらわになるのが翼竜(永遠の敵役プテラノドンとか)である。
 特撮映画の嚆矢「初代キングコング」(1933/RKOラジオ)を始めとして、人形アニメの翼竜が登場する恐竜映画は多いが、翼が大きく、動かす範囲の大きいこれらの羽ばたきがうまくいっている例はほとんどない。

 ボケの話続く。


※<フィルムとコマの話>を最初から読みたい方は →こちら 


2007年09月12日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部